1926年のNFL

1926年のNFLは、リーグ創設7年目を迎えたシーズンであり、その歴史において特筆すべき出来事が数多く発生しました。この年、NFLは、リーグのスター選手であったレッド・グレンジの契約問題をきっかけに、新たなライバルリーグであるアメリカン・フットボール・リーグ（AFL、通称「AFLⅠ」）が設立されたことで、大きな変革期を迎えることになりました。

AFLⅠの設立は、NFLにとって大きな脅威となり、リーグは対抗措置として、以前脱退していたマルーンズの再加入を認め、さらに積極的なリーグ拡張策を実行しました。その結果、1926年のNFLは、22チームという草創期最大のチーム数でシーズンを戦うことになったのです。この22チームという規模は、1961年に再び達成されるまで、NFLの歴史において最も多いチーム数であり続けました（合併前のAFLを含む）。

しかし、NFLとAFLⅠ間の競争は、両リーグともに経済的な疲弊をもたらし、AFLⅠはわずか1シーズンで解散を余儀なくされました。NFLもその影響を大きく受け、翌年には多くのチームがリーグを去ることになりました。この状況下で特筆すべきは、レッド・グレンジが出場する試合だけはAFLⅠで多くの観客を動員していたという事実です。そのため、グレンジが所属していたAFLⅠのニューヨーク・ヤンキースは、翌年からNFLへの参入を認められることとなりました。

1926年のNFLシーズンは、フランクフォード・イエロージャケッツが14勝1敗2分という圧倒的な成績でNFLチャンピオンに輝きました。このイエロージャケッツの勝利は、激動のシーズンを象徴するものでもありました。以下に、1926年のNFL順位表を示します。

順位 チーム 勝 敗 分 勝率
-- ---- -: -: -: ---:
1 フランクフォード・イエロージャケッツ 14 1 2 0.933
2 シカゴ・ベアーズ 12 1 3 0.923
3 ポーツマス・スパルタンズ 9 3 4 0.750
4 カンザスシティ・カウボーイズ 8 3 0 0.727
5 グリーンベイ・パッカーズ 7 3 4 0.700
6 ニューヨーク・ジャイアンツ 8 4 1 0.667
7 ロサンゼルス・バッカニアーズ 6 3 1 0.667
8 デトロイト・パンサーズ 4 6 2 0.400
9 クリーブランド・ブルズ 4 6 1 0.400
10 ダルース・エスキモス 3 8 0 0.273
11 バッファロー・レンジャーズ 3 8 0 0.273
12 ハートフォード・ブルース 3 7 0 0.300
13 ミルウォーキー・バジャーズ 2 7 0 0.222
14 プロビデンス・スチームローラーズ 2 9 0 0.182
15 アクロン・インディアンス 1 4 1 0.200
16 ラシーン・カージナルス 1 4 0 0.200
17 ルイビル・コロネルズ 1 4 0 0.200
18 ブルックリン・ライオンズ 1 6 0 0.143
19 トレド・マロンズ 0 3 0 0.000
20 ハモンド・プロズ 0 4 0 0.000
21 シカゴ・ブルドッグス 0 1 0 0.000
22 ロチェスター・ジェファソンズ 0 1 0 0.000


この1926年のシーズンは、NFLの初期における競争の激化とリーグの不安定さを示すものでした。レッド・グレンジの存在が、リーグの力関係に大きな影響を与えたことも、このシーズンの大きな特徴と言えるでしょう。また、多くのチームが参加と脱退を繰り返す中で、フランクフォード・イエロージャケッツが圧倒的な強さを見せたことは、この年のNFLの歴史を語る上で欠かせない要素となっています。

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