1932年のNFL

1932年のNFLシーズンは、リーグにとって13年目の節目となる年でした。このシーズンは、いくつかの重要な出来事によって特徴づけられます。まず、ボストン・ブレーブス（後のワシントン・レッドスキンズ）が新たにリーグに加わりました。しかし、プロビデンス・スチームローラー、クリーブランド・インディアンス、フランクフォード・イエロージャケッツの3チームがリーグから脱退したため、参加チーム数はわずか8チームと、NFL史上最も少ない数でのシーズンとなりました。

シーズン終盤、シカゴ・ベアーズとポーツマス・スパルタンズがともに6勝1敗で並び、リーグ史上初となる優勝決定プレイオフが開催されることになりました。このプレイオフは、通常のレギュラーシーズンとは異なり、優勝チームを決めるための特別な試合として行われました。当初、試合はリグレー・フィールドで開催される予定でしたが、寒波による荒天のため、急遽シカゴ・スタジアムでの開催に変更されました。

屋内スタジアムでの開催となったため、フィールドのサイズが通常よりも小さくなり、80ヤードのフィールドと縮小されたエンドゾーンでの試合となりました。さらに、ゴールポストをエンドゾーン外に設置するスペースがなかったため、ゴールライン（0ヤードライン）に設置されました。この変更は、後に公式ルールとして採用されることになります。試合は、両チームとも守備が堅く、第4クォーターまで無得点の展開が続きましたが、最終的にベアーズが9対0でスパルタンズを下し、NFLチャンピオンの座を獲得しました。

このプレイオフの結果はレギュラーシーズンの成績にも計上されたため、敗れたスパルタンズはグリーンベイ・パッカーズに勝率で抜かれ、最終順位は3位となりました。また、このプレイオフは非常に好評だったため、翌年からNFLは東西2地区制に移行し、毎年NFLチャンピオンシップを開催することが決定しました。この試合は公式にはレギュラーシーズンの延長とみなされますが、非公式には「NFLチャンピオンシップ1932」として知られています。

1932年シーズンの主な出来事

ボストン・ブレーブス（後のワシントン・レッドスキンズ）がリーグに加入。
プロビデンス・スチームローラー、クリーブランド・インディアンス、フランクフォード・イエロージャケッツの3チームが脱退。
NFL史上最少の8チームでシーズンを開催。
初の優勝決定プレイオフが開催され、シカゴ・ベアーズが優勝。
プレイオフでゴールポストの位置が変更され、翌年から公式ルールとして採用。
翌年からNFLが2地区制に移行し、毎年NFLチャンピオンシップを開催。

この1932年のシーズンは、NFLの歴史において重要な転換点となりました。特に、優勝決定プレイオフの開催とそれに伴うルール変更は、その後のNFLの発展に大きな影響を与えました。

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