1941年ノルディックスキー世界選手権

1941年ノルディックスキー世界選手権：幻の大会

1941年ノルディックスキー世界選手権は、第二次世界大戦の最中、1941年2月1日から2月10日までの11日間、イタリアのコルティーナ・ダンペッツォで開催されました。しかし、大戦の影響により参加国が限られたため、戦後の1946年に国際スキー連盟によって世界選手権としての公認を取り消されるという、幻の大会となりました。

大会概要と背景

この大会では、クロスカントリースキー3種目、ノルディック複合1種目、スキージャンプ1種目、そして非公式種目として軍事パトロールが行われました。軍事パトロールは、1チーム4人でクロスカントリースキー25kmとライフル射撃を組み合わせたリレー形式で、バイアスロンの原型とも言える競技でした。

競技結果

以下に、各競技の結果をまとめます。

クロスカントリースキー

男子18km：1941年2月実施
男子50km：1941年2月実施
男子リレー：1941年2月実施

ノルディック複合

個人（K70/18km）：1941年2月実施

グスタフ・ベラオアー（チェコスロバキア出身）
ヨーゼフ・グストライン（オーストリア出身）

当時、チェコスロバキアとオーストリアはナチス・ドイツの支配下にあり、両選手はドイツ代表として出場しました。

スキージャンプ

個人：1941年2月実施

軍事パトロール（非公式）

1941年2月7日実施
1チーム4人でクロスカントリースキー25kmとライフル射撃を行う。

特記事項

この大会は、第二次世界大戦の影響を色濃く受けた大会であり、政治的な背景も絡み合っていました。特に、ノルディック複合に出場したグスタフ・ベラオアーとヨーゼフ・グストラインは、それぞれの出身国がナチス・ドイツに占領されていたため、ドイツ代表として出場せざるを得なかったという事情があります。

大会の意義

1941年ノルディックスキー世界選手権は、世界選手権としては公認されなかったものの、戦時下においてもスポーツが人々に希望を与え、国際交流の場となっていたことを示す貴重な記録です。また、軍事パトロールという競技がバイアスロンの原型になったという点でも、スポーツ史における重要な位置を占めています。

参考資料

FIS history of the 1941 Championships
German Wikipedia information on this event
Hickoksports list of medal winners including 1941
Hermann Hansen, Knut Sveen: VM på ski '97. Alt om ski-VM 1925-1997. Adresseavisens Forlag, Trondheim 1996. ISBN 82-7164-044-5

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