1945年フランクリン・ルーズベルト大統領就任式

フランクリン・D・ルーズベルトの4回目の就任式

1945年1月20日、アメリカ合衆国の第32代大統領フランクリン・D・ルーズベルトの4回目の就任式が行われました。この行事は40回目の大統領就任式であり、ルーズベルトにとって最後となる任期の始まりです。同時に、副大統領としてハリー・S・トルーマンの唯一の任期も始まりました。この歴史的な出来事は、アメリカの政治史において特異な意味を持つものでした。

ルーズベルトは1941年、1945年と連続して大統領の職を担ってきましたが、1951年にアメリカ合衆国憲法修正第22条が成立したため、以降の大統領は2期までの任期に制限されることとなりました。そのため、彼の4期目はこの一度きりであり、歴史的に非常に珍しい事例となりました。ルーズベルトは、4期目の任期開始からわずか82日後に亡くなるため、トルーマンがその後大統領に昇進することになります。

さて、就任式は例年通りに議会議事堂で行われるのではなく、第二次世界大戦中の財政緊縮の影響を受け、ホワイトハウスのサウスポルティコに場所を移しました。この背景には、戦争の影響による祝賀行事の縮小があり、パレードなどのイベントも中止されました。そのため、式典の雰囲気は例年に比べて静寂に包まれていました。

宣誓を行う者として、最高裁判所長官のハーラン・F・ストーンが選ばれました。ルーズベルト大統領の就任演説は、歴代の中でも極めて短いものであり、その内容や形式が注目を集めました。また、今回が副大統領の宣誓を前任者が行う最後のケースとなりました。これらの特徴が、この就任式の特異性をさらに際立たせています。

結局、ルーズベルトの4回目の就任式は、彼の最後の時代の幕開けを告げる重要な出来事であり、アメリカの歴史においても特別な意味を持つ瞬間となりました。トルーマン副大統領がその後の課題を引き受けることとなる中、ルーズベルトの功績や影響は、次世代に語り継がれることでしょう。彼の政権の背後には、戦争という激動の時代があり、その中での彼のリーダーシップと政策が、今後のアメリカを形作る基盤となったことは間違いありません。

もう一度検索