1948年の阪急ブレーブス

1948年、戦後のプロ野球界で阪急ブレーブスがどのような軌跡をたどったのか。このシーズンは、浜崎真二が選手兼任から専任監督となり、チームを率いて実質2年目にあたる重要な一年でした。前年、球団のニックネームが「ブレーブス」と正式に定められ、戦後初のリーグ優勝への期待が大きく高まっていました。

開幕の躓きと監督交代

しかし、栄光への道は平坦ではありませんでした。シーズンが開幕すると、チームは立ち上がりからつまずきを見せます。特にライバルである阪神タイガースが開幕ダッシュに成功したことで、阪急は序盤から大きく後れを取り、苦しい戦いを強いられました。この状況を打開するため、責任を取る形で6月には西村正夫前監督が辞任。チームの指揮権は、前年から選手兼任で指導にあたっていた浜崎真二に完全に委ねられました。

浜崎新体制下の浮沈

浜崎新監督の下、チームは徐々に態勢を立て直していきます。一時は抱えていた借金を返済するなど、復調の兆しを見せ、Aクラス（4位）の座を確保するまでに盛り返しました。この勢いを維持できれば、念願の戦後初優勝も現実味を帯びてくるかに見えました。しかし、シーズンの戦いは常に安定しているわけではありませんでした。

波乱の序盤戦：4月は7勝9敗と負け越し、期待された開幕ダッシュは失敗に終わります。
5月の快進撃：続く5月には、13勝6敗と大きく勝ち越し、借金を一掃することに成功。チームは勢いを掴んだかに見えました。
7月の落とし穴：ところが、7月に入ると突如として失速。7月2日から9連敗を喫するなど、大きな壁にぶつかります。この連敗後には6勝1敗と持ち直す粘りも見せましたが、このように好調と不調の波が激しいシーズンとなりました。

終盤の攻勢と最後の失速

その後もチームは勝率5割前後で推移する戦いが続きます。9月には打線が驚異的な猛威を振るい、3試合連続で二桁得点を記録するなど爆発。この月の成績は12勝7敗と大きく勝ち越し、再び上位進出への望みをつなぎました。しかし、運命の10月、シーズン終盤に入るとチームは再び下降線をたどります。特に10月20日以降は、引き分けを挟んでわずか1勝10敗と大きく負け越し、優勝争いから完全に脱落しました。

最終結果と分析

最終的なシーズン成績は、66勝68敗6分。惜しくも勝率5割には届きませんでしたが、前年に続いて2年連続となるAクラス（4位）の順位を確保しました。しかし、優勝を飾った南海ホークスには、実に20ゲームもの大差をつけられる結果となりました。

興味深いデータとして、阪急は優勝チームである南海に対しては11勝9敗とシーズン勝ち越しを記録しています。これは、首位チームとも互角以上に戦える力を持っていたことを示唆しています。
* 一方で、リーグ2位の読売ジャイアンツには5勝15敗と大きく負け越しました。上位チームとの対戦成績、特に2位チームへの苦戦が、最終的に優勝へと届かなかった大きな要因の一つとして挙げられるでしょう。

まとめ

1948年の阪急ブレーブスは、シーズン途中の監督交代、好不調の激しい波、そして終盤の失速など、様々な出来事があった一年でした。戦後初優勝という目標は達成できませんでしたが、厳しい戦いの中でAクラスを維持し、来季への希望をつなぐシーズンとなりました。

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