1956年12月自由民主党総裁選挙

1956年自由民主党総裁選挙の概要

1956年12月14日に開催された自由民主党の総裁選挙は、党として初めて本格的に行われた選挙である。この選挙は、1955年に自由民主党が結党されて以来、初めての重要なイベントとなった。初代総裁であった鳩山一郎が1956年11月2日に辞任を表明したことから実施されたもので、3人の候補者が名乗りを上げ、激しい戦いが繰り広げられた。その候補者は、岸信介、石橋湛山、石井光次郎で、特に岸が初めから有力候補と見られていた。

総裁選挙の背景

この選挙は、結党間もない自民党が内部分裂を懸念し、話し合いによる候補者選出を試みたものの失敗したことにより、選挙戦に突入した。特に辰巳派と呼ばれる一派が存在し、石橋を支持する動きが見られた。石橋の支持を強く求める声を上げたのが、主に三木武夫であり、市田光次郎と池田勇人らの支持を得て、古い政党連携の動きも見られた。

候補者の動き

特に三木は、石橋に対する支持を広げるために旧改進党の議員たちを結集させる工作を進め、彼のリーダーシップが重要な役割を果たしました。旧改進党の議員の多くが鯖読みしたとされ、石井派に加勢する池田も興味深い動きを見せた。池田は自由党幹事長などの経験を持ち、自身の位置を強化していく一方で、石井派と手を結んで岸への対抗を考えました。

総裁選の展開

総裁選の前日には、池田と三木が会談し、二位、三位間の票を集約する、いわゆる「二位・三位連合」を結成。これにより、決選投票で石橋が勝利する可能性が高まった。選挙当日、岸が予想通り第一票でリードし、石橋との間で決選投票となりました。しかし、二位、三位連合の支持を得られた石橋が勝利し、わずか7票差で短期間に総裁に選ばれました。

総裁選後の動き

岸は総裁選の結果を受け入れ、外務大臣ポストを要求するなどしつつも、党内融和を訴えました。石橋も党内の配慮が必要であり、役職配分などに苦慮しましたが、年末には新執行部を発足させました。池田は大蔵大臣に、三木は党幹事長に就任した。

この選挙戦は、その後の自民党における選挙の一つのモデルとなり、現金と空手形が飛び交う様相を呈していました。その一方で、石井派の池田への耐えがたい裏切り感や、岸と佐藤がそれぞれの派閥を支える中で起こる対立が生じるなど、党内は緊張した雰囲気に包まれていました。

結果

こうして、石橋が内閣総理大臣に就任したものの、翌年には脳梗塞により政治の表舞台から退くことになりました。岸がその後わずか2か月後に内閣総理大臣に就任するという意外な展開が待っていました。1956年の自由民主党総裁選挙は、またたく間に日本政治の重大な局面となった。

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