1958年ドイツグランプリ

1958年ドイツグランプリの詳細

1958年8月3日、F1世界選手権第8戦であるドイツグランプリがニュルブルクリンクで開催されました。このレースは、F1における激しい競争と同時に、悲劇的な一幕をもたらしました。

レースは、スターリング・モスが序盤をリードし、ペースを保ちながら快走を続けましたが、残念ながら再びマシントラブルに見舞われ、リタイアを余儀なくされました。これにより、フェラーリのピーター・コリンズとマイク・ホーソーンが競い合う展開となりました。この2台のフェラーリを追って、ヴァンウォールのトニー・ブルックスが追撃を試みます。

中盤に入り、ブルックスはスピードを上げてフェラーリ勢を抜き去り、首位に立つことに成功しました。コリンズは必死にその後を追いましたが、11周目に森の中のコーナーで悲劇が起きました。コースを外れたコリンズは立木に激突し、即死という衝撃的な事故に見舞われました。この事故を目の当たりにしたホーソーンはショックを受け、レースを続けることができず、ピットに戻ってリタイアしました。

この結果、ブルックスは独走状態となり、見事に優勝を果たしました。また、クーパーのロイ・サルヴァドーリは2位に入賞し、連続で表彰台に立つこととなりました。このレースはフェラーリにとって、1ヶ月前のフランスGPでのルイジ・ムッソに続き、コリンズを失うという大打撃となりました。ホーソーンも、親友の死を目の当たりにし、引退を真剣に検討することとなったのです。

この年のドイツグランプリでは、前年に引き続きF2マシンも混走してレースが行われました。F2マシンは、ポイントを獲得することはできませんが、出走回数にはカウントされます。ブルース・マクラーレンはクーパーからF2部門でデビューし、総合5位となりましたが、ポイント獲得対象外となったため、無得点に終わりました。

このレースはF1史上初の試みとして、イタリア人ドライバーが一人も出場しないレースとなりました。参加ドライバーやエントリーリスト、予選結果も注目を集めましたが、何よりもドイツグランプリは競争の厳しさと、それに伴う運命の危険性を再認識させるレースとなったのです。レース終了後のランキングは、トップ5のみ表示され、ベスト6戦のみがカウントされます。ポイントの獲得状況についても、特に注目を浴びました。

1958年ドイツグランプリは、F1が抱える危険とドラマの象徴的な例として、今なお記憶され続けています。

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