1960年のNFL

1960年のNFLシーズンは、アメリカンフットボール界にとって重要な転換期となりました。この年の9月23日に開幕したNFLは、第41回目のレギュラーシーズンを迎えました。シーズン開幕前には、23回の投票を経て、ピート・ロゼールが新コミッショナーに選出され、リーグの運営体制に新たな風が吹き込まれました。

新チームとフランチャイズの移動

リーグには13番目のチームとしてダラス・カウボーイズが加わり、テキサス州ダラスを新たな拠点としました。また、シカゴ・カージナルスがミズーリ州セントルイスへ移転し、チーム名をセントルイス・カージナルスに変更しました。これにより、リーグの勢力図とファン分布に変化が生じました。

チャンピオンシップとヴィンス・ロンバルディの敗北

シーズンは、NFLチャンピオンシップでフィラデルフィア・イーグルスがグリーンベイ・パッカーズを破り、イーグルスが優勝を果たしました。この試合は、パッカーズのヘッドコーチであるヴィンス・ロンバルディにとって、ポストシーズンにおける唯一の敗北となりました（プレイオフボウルを除く）。この敗戦を機に、ロンバルディはその後、5回のNFLチャンピオンシップと第1回、第2回のスーパーボウルで勝利を収め、伝説的なコーチとしての地位を確立しました。

プレイオフボウルの創設

この年から、3位決定戦となるプレイオフボウルが開催されることになりました。この試合は、シーズン終了後に行われるイベントとして、ファンにとっても重要な位置を占めることになりました。

対抗リーグAFLの設立

1960年は、NFLの歴史において重要な出来事がありました。それはNFLに対抗するリーグとしてアメリカン・フットボール・リーグ（AFL）が設立されたことです。AFLは1966年からスーパーボウルを開催し、NFLとの競争を激化させました。この両リーグは1970年シーズンに合併し、今日のNFLの基礎を築くことになります。

1960年のNFLドラフト

1959年11月30日に行われたドラフトでは、20巡で240名の選手が指名されました。全体1位で指名されたビリー・キャノンをはじめ、1巡指名された選手の半数以上が、新設されたAFLのチームと契約を結びました。この事実は、AFLがNFLにとって強力なライバルとなり得ることを示唆しました。

新チームと移転後の動き

ドラフト終了後、1960年1月にダラス・カウボーイズが創設され、同年3月にはシカゴ・カージナルスがセントルイスへ移転し、セントルイス・カージナルスと改称しました。さらに、ドラフトに参加できなかったカウボーイズのために、1960年3月13日にエクスパンションドラフトが開催されました。カウボーイズは、他の12チームから36名の選手を獲得し、チームの戦力を整えました。また、この年のドラフト3巡でシカゴ・ベアーズに指名されたドン・メレディスを、将来のドラフト指名権とのトレードで獲得しています。

ルールと日程

この年のNFLでは、ルールの変更はありませんでした。各チームは12試合を戦い、その対戦相手は事前に決定されていました。順位表や受賞者に関する詳細は割愛しますが、このシーズンは多くの変化とドラマに満ちたものでした。

1960年のNFLシーズンは、その後のNFLの歴史を大きく左右する出来事が数多く起こりました。特に、AFLの設立は、NFLが単独のリーグとしてではなく、競争的な状況下で発展を遂げる契機となりました。

もう一度検索