1961年の日本シリーズ

1961年の日本シリーズ

1961年の日本シリーズは、10月22日から11月1日まで開催されました。セ・リーグを制した読売ジャイアンツとパ・リーグで優勝した南海ホークスの対決であり、この年のシリーズは監督就任1年目の川上哲治が指揮を執るジャイアンツと、鶴岡一人が監督を務める南海との戦いで行われました。試合は後楽園球場と大阪球場で行われました。

このシリーズは、1959年以来2年ぶりに巨人と南海が顔を合わせたものです。最終的にジャイアンツは南海を4勝2敗で下し、1955年以来6年ぶりの日本一の栄冠を手にしました。特に注目されたのは、MVPに選ばれた宮本敏雄で、彼は打率4割9厘、1本塁打、9得点という素晴らしい成績を残しました。

シリーズの試合経過

シリーズは悪天候に悩まされ、雨天中止が4度も発生しました。特に重要だったのは、10月28日の練習で、選手たちは雨の中でも練習を続けました。川上監督は「どんな状況でもやるべきことをやった」とし、その精神が選手たちに好影響を与えたと語っています。

シリーズの第4戦では、緊迫した展開が繰り広げられました。南海が9回表二死から広瀬の本塁打で逆転しましたが、巨人も最後の瞬間に劇的な逆転劇を演じました。試合中、誤審を巡って審判と選手間でトラブルが発生し、その影響が試合の流れを左右しました。この試合は巨人のサヨナラ勝ちとなり、話題となりました。

続く第5戦では、スタンカが南海を引っ張り、対戦成績を2勝3敗としましたが、最終的には第6戦でジャイアンツが勝利を収め、1970年代以前の日本シリーズでは初めての完全勝利を果たしました。川上監督は就任1年目にして、この名誉あるタイトルを獲得しました。

表彰選手と中継

シリーズでの表彰選手には、最優秀選手賞に選ばれた宮本敏雄のほか、南海のスタンカや巨人の中村稔、塩原明も名を連ねました。試合は視聴率も高く、テレビ・ラジオ共に多くの実況中継が行われ、ファンの注目を集めました。

このシリーズは、単なる勝敗を超えて、選手たちの精神力や技術が試された壮絶な戦いでした。特に、雨の中での練習や逆転サヨナラ勝ちの瞬間は、今なお語り継がれる名勝負として、多くの野球ファンの記憶に残っています。

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