1962年の国鉄スワローズ

1962年の国鉄スワローズ

1962年は、国鉄スワローズにとって特別な意味を持つシーズンでありました。この年は、砂押邦信監督の2年目のシーズンであり、前年度のAクラス入りが果たした期待を背負ってのスタートでした。期待とは裏腹に、開幕直後から打線の不振に悩まされ、前年の打率.227から.201へと大きく後退してしまいました。

開幕からの苦境

選手たちの打撃成績が低迷する中、投手陣は金田正一や村田元一といった実力者が健闘し、防御率は2.61とまずまずの数字を記録しました。これによってチーム成績もひとまずは安定を保ち、6月時点では3位の巨人とのゲーム差がわずか1.5ゲームという状況であったことは、一筋の光明となりました。

しかし、その後のチームは急激に成績を崩してしまいます。最終的には、15年ぶりに優勝を果たした阪神と24ゲーム差がつき、2年ぶりに最下位に沈む結果となりました。この結果により、砂押監督の采配が問題視され、特に移籍組や立教大学出身の選手を優遇する姿勢が球団内部での不満を呼ぶ要因となりました。結果として、砂押監督は2年目のシーズンで辞任し、ヘッドコーチに降格されることになりました。その後、浜崎真二が後任の監督として就任することとなります。

投手陣の健闘

投手陣については、51完投を記録しリーグ2位の成績を残しました。また、無四球勝利数もリーグ3位と、安定した力を見せていました。これらの数字は投手陣の献身的な努力を示しており、打撃陣の不振をいくらかカバーした形と言えるでしょう。

打線の低迷

一方で打撃陣は大きな課題を抱えるシーズンでした。チーム全体の打率は2割を切る結果となり、ホームランや盗塁もリーグ最下位と、投手有利のシーズンが印象づけられました。対戦相手とのカード別成績では、5位の広島には13勝13敗1分と拮抗しましたが、上位4球団に大きく負け越し、特に大洋や巨人には9勝17敗と惨憺たる結果でした。このように、チームは優勝争いには全く関与することなく、苦しいシーズンを余儀なくされたのです。

資本提携と球団経営の移行

この年の8月には、産業経済新聞社（サンケイ新聞）との資本提携が結ばれました。この段階で国鉄スワローズの球団経営の実権がサンケイ新聞へと移り、今後の運営にも大きな影響を与えることとなります。

今シーズンの結果は、国鉄スワローズの歴史の中でも特筆すべきものとなりましたが、同時に多くの課題も浮き彫りにする結果となりました。次のシーズンへの課題をどのように克服するかが、大きな焦点となるでしょう。

もう一度検索