1962年アジア競技大会

1962年アジア競技大会の概要

1962年8月24日から9月4日にかけて、インドネシアの首都ジャカルタで行われたのが、IVアジア競技大会です。この大会は、17カ国から1527人の選手が参加する大規模なスポーツイベントとなりました。しかし、当初の計画とは異なり、いくつかの国が事実上の参加拒否という形で大会から除外されるという深刻な事態が発生しました。

参加拒否の背景

インドネシア政府は、アラブ諸国との関係強化を図り、中国との連携を重視した結果、イスラエルと中華民国（台湾）に対してビザを発給しなかったのです。これにより、両国は大会に参加する資格を持ちながらも、実際には出場できないという状況が生じました。これを受けて、国際オリンピック委員会（IOC）や国際陸上競技連盟（IAAF）は、このような参加拒否を認めず、公式な競技大会とはみなさない意向を表明しました。

この件により、インドネシア国内オリンピック委員会はIOCから資格停止の処分を受けることになりました。ただし、インドネシアの国内オリンピック委員会はIOCからの脱退を示唆しましたが、実際には1964年に復帰を果たしています。また、国際ウエイトリフティング連盟（IWF）も、東京オリンピックへの出場停止を示唆し、最終的にはウエイトリフティングの競技は中止されました。これら一連の問題は、インドネシアが共産圏諸国との関係を強化し、1963年11月には新興国競技大会（GANEFO）を開催する流れに繋がっていきました。

日本の参加とその影響

日本はこの大会に参加するかどうかについて深い悩みを抱えていました。しかし、インドネシアとの外交関係が悪化することを懸念し、結局全ての競技に参加する道を選びました。その結果、日本体育協会の会長である津島壽一や日本オリンピック委員会（JOC）の責任者である田畑政治が、同協会とJOCの役職を辞任することになりました。

新たな競技の導入

この大会では、バドミントンが新たに競技として実施されました。これにより、バドミントンはアジア競技大会という場で正式に認められることとなりました。他にも様々な競技が行われ、陸上競技、バスケットボール、ボクシング、自転車競技、飛込競技、サッカー、ホッケー、射撃、水泳、卓球、テニス、バレーボール、水球、レスリングなど、多岐にわたって競技が展開されました。加えて、アーチェリーのエキシビションも行われ、多くの観客を魅了しました。

参加国・地域とメダル獲得

大会には17の国と地域が参加し、それぞれの国が自らの名誉をかけて競技に臨みました。その成果として、各国・地域は金、銀、銅メダルを争い、アジア全体のスポーツレベルの向上にも寄与しました。この1962年アジア競技大会は、スポーツと政治が交錯する中で、歴史に残る重要な一頁となったのです。

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