1964年の南海ホークス

1964年の南海ホークスのシーズン動向

1964年の南海ホークスは、監督鶴岡一人の19年目のシーズンを迎えました。この年のホークスは前年、主力選手の野村克也が52本塁打を放つも西鉄に逆転優勝を許し、結果として2位になったため、選手たちは新たな挑戦を期待して開幕を迎えました。鶴岡監督は「もう一度優勝を」と意気込みを持ち、チームの士気も高かったのですが、スタートは平凡なものでした。

シーズンが進むにつれ、5月には前年Bクラスだった東京と同率の3位に甘んじるなど、苦戦が続いていました。しかし、6月に入るとチームは徐々に勢いを取り戻し、首位の阪急に2ゲーム差に迫るまでになりました。7月には14勝6敗と勝ち越し、ついには首位を奪回します。この時点では優勝への期待が高まりましたが、その後は阪急との激しい競り合いが続くこととなります。

このシーズン、最終的には阪急が調子を崩し、南海ホークスは3年ぶりに9度目のリーグ優勝を果たしました。特筆すべきは、対戦成績で東映や東京に対しては14勝15敗1分と負け越したものの、西鉄には20勝9敗1分、最下位の近鉄には19勝11敗と順調な戦績を記録した点です。

日本シリーズでは、阪神タイガースとの関西対決が実現しました。このシリーズでは、エースのジョー・スタンカが圧巻のパフォーマンスを見せており、第1戦、第6戦、第7戦での3完封は驚異的なものでした。その結果、阪神を4勝3敗で下し、南海は5年ぶりに日本一に輝きました。シリーズMVPに選出されたスタンカの活躍は特に光っており、阪神の藤本監督も「今年の日本シリーズはスタンカにしてやられた」とコメントするほどの影響力を示しました。

興味深いエピソードとして、野球留学生の村上雅則が1964年に選ばれ、アメリカのサンフランシスコ・ジャイアンツのファームチームでプレーしていたことが挙げられます。彼は156奪三振、防御率1.78という素晴らしい成績を収め、メジャーリーグに昇格する道を切り開き、9月29日にはヒューストン・コルトフォーティファイブス（現：アストロズ）戦でメジャー初勝利を収めました。しかし、シーズン終了後に、ジャイアンツが南海からの許可なく村上と契約を結んでしまったため、大騒ぎとなります。結局、村上は1965年シーズンも期限付きでジャイアンツに在籍することとなりました。

このように、1964年の南海ホークスは数々のドラマを抱えながら、リーグ優勝と日本一を達成した、記憶に残るシーズンとなりました。選手たちの奮闘や監督の巧みな戦術が、現在でも多くのファンの心に刻まれています。

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