1966年のル・マン24時間レース

1966年のル・マン24時間レースは、フランスのサルトサーキットを舞台に、1966年6月18日から19日にかけて開催されました。このレースは、フォードとフェラーリの熾烈な戦いで知られ、自動車史に名を刻む激闘となりました。

3年連続でフェラーリに挑戦を続けるフォードは、7リットルエンジンを搭載したGT40Mk2を8台も投入するなど、圧倒的な物量作戦で臨みました。一方、フェラーリも強力なマシンを送り込み、激しい優勝争いを繰り広げる構図となりました。レースには総勢55台のマシンがエントリーしました。

フォード陣営は、前年の反省を踏まえ、マシンの改良に力を入れていましたが、その結果、車両重量が増加し燃費性能の悪化を招いてしまいました。そのため、フェラーリよりも頻繁なピットインによる燃料補給を強いられることになります。

レース序盤からフォードがリードする展開となりましたが、フェラーリもペースを上げて猛追。しかし、フェラーリ勢は接触事故やトランスミッショントラブルに見舞われ、次々と脱落するという不運に見舞われました。

レース終盤は、フォード同士が1位と2位を争う展開となり、最後まで目が離せない接戦が繰り広げられました。そして迎えたゴールは、ほぼ同時にフィニッシュラインを通過するという、劇的な幕切れとなりました。

55台中、完走を果たしたのはわずか15台。激しい戦いを制し、栄冠に輝いたのはクリス・エイモンとブルース・マクラーレン組のフォードGT40Mk2、2号車でした。24時間で4843.090kmを走り抜き、平均速度210.795km/hという驚異的な記録を達成。この勝利は、アメリカ車にとって初のル・マン制覇という快挙でもありました。さらに、フォードは表彰台を独占するという圧巻の結果を残しました。

この1966年のル・マン24時間レースは、フォードの戦略と技術力、そしてドライバーたちの高い能力が結実した勝利と言えるでしょう。同時に、レースにおける機械トラブルやアクシデントが勝敗を大きく左右する可能性を示した、ドラマチックなレースでもありました。フォードとフェラーリの熾烈な戦いは、自動車史における永遠のテーマとして語り継がれることでしょう。

参考文献

『ルマン 伝統と日本チームの戦い』グランプリ出版 ISBN 4-87687-161-2
黒井尚志『ル・マン 偉大なる草レースの挑戦者たち』集英社 ISBN 4-08-780158-6
* ドミニク・パスカル著、日沖宗弘訳『ル・マンの英国車』ネコ・パブリッシング ISBN 4-87366-068-8

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