1966年の西鉄ライオンズ

1966年の西鉄ライオンズシーズンの振り返り

1966年の西鉄ライオンズは、中西太選手が兼任監督として5年目のシーズンを迎えました。この年のチームの動向は、非常に興味深いものでした。開幕早々、ライオンズは6連勝を飾り、順調なスタートを切りましたが、5月にはその勢いがわずかに減速しました。それでも、6月上旬から中旬にかけては再び調子を取り戻し、11勝3敗という素晴らしい成績を収めて首位の南海に迫りました。

しかし、その後は8月に失速し、一時は東映に抜かれて3位にまで順位を落とす結果となりました。その後の9月には再度ペースを上げ、南海との差を2ゲーム差に縮める猛追が見られました。全般的に見て、1966年のプロ野球は投手が優れた成績を残した一方で、打撃陣は苦戦を強いられ、チームには3割を打つ選手が存在しませんでした。

特筆すべきは、投手陣の活躍です。田中勉はこの年も抜群のパフォーマンスを発揮し、5月12日の南海戦で完全試合を達成しました。この素晴らしい成果により、田中は23勝を挙げ、最多奪三振のタイトルも手にしました。さらに、リリーフに転向した稲尾和久は11勝を上げたものの、5年ぶりに最優秀防御率のタイトルを獲得するなど、投手陣はリーグでもトップクラスの成績を収めました。2年目の池永正明も15勝を挙げ、全体としてチームはリーグ1位のチーム防御率を記録しました。

チームは9月30日から10月6日までの7連勝を記録し、その最終戦で南海が敗れたため、残り4試合を全勝すれば逆転の可能性が残りました。しかし、10月9日の東映戦でリリーフの稲尾が痛恨の本塁打を打たれ、チームは敗戦。結局、残りの4試合を全敗し、シーズンを4ゲーム差の2位で終えました。

このシーズンが終わると、高倉照幸が長年の主力打者として巨人にトレードされ、また、出場機会が減少していた城戸則文もサンケイに移籍することになります。このように、翌シーズンに向けて打線が弱体化する懸念が浮上しました。

加えて、1966年からユニフォームにもオレンジのラインが追加され、チームの新たな象徴として定着することになります。全体として、この年の西鉄ライオンズは多くの波乱がありながらも、投手陣の活躍が目立ったシーズンと言えるでしょう。

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