1968年の読売ジャイアンツ

1968年の読売ジャイアンツ

1968年の年、読売ジャイアンツは川上哲治監督の8年目のシーズンを迎えました。これはチームにとってV9の4年目でもあり、期待が高まる中で始まりました。この年のジャイアンツは、その名に恥じぬ強さを見せる一方で、困難な局面にも直面しました。特に4月は、中日に対して3.5ゲーム差の3位という成績で幕を閉じました。

チームの動向

5月に入ると、読売ジャイアンツは中日から首位を奪取。しかし、前年最下位だった広島との対戦では、厳しい戦いが続きました。助け舟として、広島が12連敗を喫したことがあり、その結果、ジャイアンツは徐々に首位を固めました。4連覇が視野に入ったとき、8月以降はBクラスにいた阪神が猛烈な追い上げを見せました。

特に9月17日からの甲子園球場での直接対決では、読売は1勝3敗と負け越し、ついに阪神と首位で並ぶ厳しい状況となりました。さらなる拮抗が続く中で、阪神の打線の貧打に助けられ、なんとかゲーム差を広げていきました。そして、10月8日、後楽園で行われた対広島とのダブルヘッダーにおいて10対2、6対5という結果で勝利し、地元で優勝を決めました。

日本シリーズ

その後、日本シリーズでは前年同様に阪急との対戦が実現しました。ルーキーの高田繁を含む打線の活躍により、ジャイアンツは阪急を4勝2敗で下し、4年連続の日本一を達成しました。しかし、頼りにしていた投手陣は打線の好調に助けられて勝利を重ねる中で、防御率は前年の2.87から3.30へと悪化しました。

打撃陣の活躍

打撃面では、5月以降に新人王の高田が柴田勲とともに俊足コンビを形成し、チームを引っ張りました。長嶋茂雄は打点王とMVPを獲得し、王貞治は本塁打王と首位打者に輝くなど、個々の選手がタイトルを手にしました。さらに、チームとしても177本の本塁打を記録し、リーグ1位の打撃成績を残しました。また、チーム打率も唯一2割6分台を維持し、133個の盗塁でこれもリーグ1位となりました。

特筆すべき出来事

この年のジャイアンツでは、いくつかの記録に残る出来事もありました。特に5月11日、中日戦では長嶋茂雄が敬遠の意図を示して手で打とうとした場面が報じられています。また、5月16日には城之内邦雄が対大洋戦でノーヒットノーランを達成し、試合中には十勝沖地震が発生するという珍しい状況にもかかわらず、巨人は16-0で勝利しました。

表彰される選手たち

シーズン終了後、長嶋茂雄は最優秀選手を受賞し、これが彼の4度目の受賞となります。また、新人王には高田繁、首位打者と本塁打王は王貞治が獲得しました。チーム成績は、選手たちの力で支えられ、確実にその名を残していくこととなりました。再び、読売ジャイアンツの強さが証明された1968年のシーズンは、ファンにとっても記憶に残るものとなりました。

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