1972年度新人選手選択会議 (日本プロ野球)

1972年度新人選手選択会議

1972年度の新人選手選択会議は、11月21日に東京の日比谷日生会館で行われたプロ野球ドラフトの第8回目の会議です。この会議では、各球団が将来有望な選手を指名する重要な場となります。指名順位は予備抽選によって決定され、奇数順位（1位、3位、5位など）については抽選の結果に従い、逆に偶数順位（2位、4位、6位など）はその逆の順序で指名が行われました。

この年の予備抽選の結果は、大洋ホエールズ、中日ドラゴンズ、東映フライヤーズ、近鉄バファローズ、阪神タイガース、太平洋クラブライオンズ、阪急ブレーブス、広島東洋カープ、ヤクルトアトムズ、南海ホークス、読売ジャイアンツ、ロッテオリオンズという順番でした。

指名選手数は特に制限がなく、各球団が自分たちの必要に応じて選手を選ぶ形となりました。

特筆すべきは、関西大学の山口高志選手の存在です。彼はその年の夏に行われた第1回日米大学野球選手権大会で素晴らしい成績を収め、最高殊勲選手に輝く活躍を見せました。しかし、山口選手はプロ入りを拒否し、松下電器に入社するとの意向を表明しました。この決断は「ドラフトの目玉」として注目を集め、多くの球団が獲得を試みましたが、ヤクルトアトムズが4位指名するも、最終的には実現しませんでした。

また、この年の都市対抗野球大会では日本楽器が初めて優勝を果たし、注目の選手たちが次々と指名を受けました。特に、新美敏選手が東映から1位指名を受けましたが、後継球団の日拓への入団が決まった一方で、他の両投手、池谷公二郎と加藤敏彦はそれぞれのチームに残留しました。池谷選手は日本楽器でのプレーを経て広島と契約を結びましたが、加藤選手は太平洋の指名を拒否し、その後プロ入りの道を選ぶことがありませんでした。

このように、1972年度新人選手選択会議は選手たちの将来を左右する重要なイベントとして、多くのドラマを生み出しました。それぞれの選手の進路や、球団の方針がどのように展開していくのかが、以降のプロ野球界においても注目されることとなります。球団間の競争、選手たちの選択肢、それらの要素が合わさり、プロ入り前の若手選手のストーリーは一層深みを増していきます。

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