1972年札幌オリンピックのバイアスロン競技

1972年札幌オリンピック バイアスロン競技

1972年札幌オリンピックにおけるバイアスロン競技は、冬季オリンピックの歴史に刻まれた重要なイベントです。競技は真駒内バイアスロン競技場を舞台に、個人20kmと4×7.5kmリレーの2種目が実施されました。

個人20km

当初、1972年2月8日に予定されていた個人20kmの競技は、午前9時にスタートしたものの、開始から15分後に激しい降雪に見舞われ、視界が50メートルまで低下したため、やむなく中止となりました。競技は翌2月9日の午前9時1分に再開され、14カ国から54名がエントリーし、53名が完走を果たしました。過酷な気象条件の中、選手たちは自身の限界に挑戦し、オリンピック精神を体現しました。

4×7.5kmリレー

1972年2月11日午前9時には、4×7.5kmリレーが開催され、13チーム52名が参加しました。この種目では、日本のチームが記憶に残るドラマを繰り広げました。朝のスタートにもかかわらず、NHKが生中継を実施し、多くの視聴者が固唾をのんで見守りました。第1走者の大野は、驚くべきことに、一発も外すことなく、ヨーロッパの強豪を抑えて1位で帰ってくるという快挙を達成しました。しかし、第2走者の佐々木が不調に見舞われ、ペナルティを5回も受けるなど、チームは最下位まで転落してしまいました。それでも、6位入賞の可能性を信じて生放送は続けられ、残る2人の選手はペナルティなしで懸命に追い上げましたが、結果は8位に終わりました。このリレーは、日本のバイアスロン史における苦い教訓として、そして同時に、諦めずに戦い抜く精神の象徴として語り継がれています。

競技結果と影響

札幌オリンピックのバイアスロン競技は、参加した選手たちにとって忘れられない経験となりました。また、この大会は、バイアスロンというスポーツの魅力を世界に広める上で大きな役割を果たしました。特に、日本のリレーチームの奮闘は、多くの人々に感動を与え、国内におけるバイアスロンへの関心を高めるきっかけとなりました。

オリンピック公式報告書（英語/仏語)P486-487には、より詳細な記録や写真が掲載されています。

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