1976年モントリオールオリンピック

1976年モントリオールオリンピック

1976年モントリオールオリンピックは、1976年7月17日から8月1日までの間、カナダのモントリオールで開催されました。この大会は、モントリオールがフランス語圏で夏季オリンピックを開催する二番目の都市となったことから、特に注目されました。また、国際オリンピック委員会（IOC）が1974年にアマチュア条項を撤廃した後、最初の夏季オリンピックでもありました。しかし、この大会はモントリオール市にとって、膨大な借金を負う原因ともなりました。開催から30年後の2006年にようやくこの債務が完済されました。

大会の経緯

モントリオールオリンピックの開催決定は、1970年5月の国際オリンピック委員会第69回総会で行われました。大会のシンボルであるエンブレムは、五輪マークをベースにンダ、競技場を象徴するデザインが施され、カナダ国旗を連想させる色使いが特徴です。

ボイコット

とはいえ、本大会は参加国によるボイコットという困難にも直面しました。アフリカやアジアを含む23ヵ国が、ニュージーランドのラグビーチームが人種差別政策を行っていた南アフリカへ出かけた問題を受け、参加を見送ったのです。また、中華人民共和国は台湾から選手が出場することを理由に大会をボイコットしました。これにより、多くの国が途中で選手を撤退させるなど、大会の火花を散らす要因となりました。

開会宣言とマスコット

開会宣言は、カナダ女王エリザベス2世が行いました。この時、フランス語と英語の両方で宣言されたことが特筆すべき点です。モントリオールの大会唯一の開会宣言となり、開催名は含まれない形でした。また、マスコットとしてビーバーをモチーフにした「アミック」が登場しました。

メインスタジアムと赤字

メインスタジアムの建設は、開閉式屋根の巨大競技場としてスタートしましたが、物価高騰により、最終的に工事は未完成の状態で大会が開催されることになりました。最終的な費用は当初の見積もりの2倍以上の金額に達し、80億カナダドルを超える巨額の赤字が生まれました。市民に対して増税が課され、この負債は2006年まで残りました。

競技の結果

競技では、ルーマニアのナディア・コマネチが体操において初の10点満点を記録し、一躍注目を浴びましたが、開催国のカナダはメダル獲得ゼロに終わり、アメリカチームも不振を抱えることとなりました。その代わり、東ドイツは目覚ましい活躍を見せ、金メダルを多数獲得し、特に競泳では女性種目において圧倒的な強さを示しました。

現在のメインスタジアム

大会後もメインスタジアムは様々なイベントで利用されていますが、エクスポズの移転後は長期にわたり空き家となりました。しかし、カナディアンフットボールの試合やサッカーなどが行われており、イベント会場としての役割を果たしています。また、 FIFA U-20ワールドカップやFIFA女子ワールドカップでも使用されました。

主要な競技会場

• - モントリオール・オリンピック・スタジアム: 開会式と陸上競技
• - オリンピック・プール: 競泳と飛込
• - モントリオール植物園: 競歩

このように、1976年のモントリオールオリンピックは数々の歴史的な出来事を抱えながら、オリンピック史に名を刻む重要な大会となりました。

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