1977年の台風

1977年の台風は、太平洋北西部で発生した熱帯低気圧に関するデータです。この年は、台風の発生数が21個と非常に少なく、1951年の統計開始以降で4番目に少ない記録となりました。平年と比較しても大幅に少ない数であり、台風の活動が不活発な一年だったと言えるでしょう。

また、発生数だけでなく、日本への接近・上陸数も非常に少なかったのが特徴です。日本に接近した台風は6個、上陸に至ったのはわずか1個にとどまりました。これは、日本列島に台風がもたらす影響が非常に少なかったことを意味します。

特に注目すべきは、9月に発生した台風9号です。この台風は、鹿児島県の奄美諸島を通過し、沖永良部島では日本の陸上における台風の最低気圧を記録しました。この記録的な低気圧を観測したことから、気象庁はこの台風を「沖永良部台風」と命名しました。この台風は、1977年の台風の中で最も大きな影響を与えたと言えるでしょう。

1977年は、台風に関するデータ記録においても重要な年となりました。この年から、台風の風速や暴風域・強風域の大きさなど、より詳細な情報がデータとして記録されるようになりました。これにより、後の台風研究や防災対策において、貴重なデータが蓄積されることとなりました。

1977年に発生した台風の一覧は以下の通りです。

台風1号（パッシー）：197701・01W
台風2号（ルース）：197702・03W・クリン
台風3号（サラ）：197703・05W・エラン
台風4号（セルマ）：197704・06W・ゴーリン
台風5号（ヴェラ）：197705・07W・フリン
台風6号（ワンダ）：197706・08W
台風7号（エイミー）：197707・09W・イビアン
台風8号：197708
台風9号（ベイブ）：197709・10W・マイリン
台風10号（カーラ）：197710・11W・ルミン
台風11号（エマ）：197711・13W
台風12号（ダイナ）：197712・12W・オペン
台風13号（フリーダ）：197713・13W・パイニン
台風14号（ギルダ）：197714・14W
台風15号：197715
台風16号（ハリエット）：197716・15W・サリン
台風17号（アイビー）：197717・16W
台風18号（ジーン）：197718・17W
台風19号（キム）：197719・18W・アンディン
台風20号（ルーシー）：197720・19W・ワルディン
* 台風21号（メアリー）：197721・20W・イエエン

この中でも、特筆すべきは台風21号です。この台風は1977年12月21日に発生し、1978年1月2日に消滅するという、年をまたいだ「年越し台風」となりました。UTC基準で年越し台風が発生するのは、1959年の台風23号以来、18年ぶりのことでした。この現象は非常に珍しく、気象学的な観点からも注目されました。

1977年の台風は、発生数、接近数、上陸数ともに少なく、比較的静かな一年でしたが、その一方で、沖永良部台風のような記録的な現象や、年越し台風の出現など、特筆すべき出来事も存在しました。また、詳細なデータ記録が開始された年としても、台風史において重要な位置を占めています。

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