1978年の世界ラリー選手権

1978年の世界ラリー選手権（WRC）は、FIAが主催する世界ラリー選手権シリーズの第6シーズンでした。この年は、シリーズの歴史において重要な転換点となりました。それまでの1973年から1978年までは、マニュファクチャラー（自動車メーカー）のみがタイトルを争う形でしたが、1978年シーズンから、ドライバーズ選手権が新設されたのです。

この新たな選手権はFIAカップと呼ばれ、WRC全戦に加え、さらに10のイベントで獲得したポイントを合計して争われました。このFIAカップは、翌1979年には正式に世界ラリー選手権のドライバーズタイトルに昇格することになります。そのため、1978年シーズンは、ドライバーズタイトルの礎を築いた記念すべき年と言えるでしょう。

ポイントシステムも1977年シーズンから変更されました。より複雑なシステムとなり、総合順位とグループ順位の両方がポイントに加算されるようになりました。これは、ドライバーとマニュファクチャラーの両方の競争をより公平に反映するために行われた変更です。複雑になったポイントシステムによって、各ラリーでの順位争いはさらに激しさを増し、戦略的な要素も重要視されるようになりました。

マニュファクチャラー選手権では、各メーカーが自社の車両とドライバーを投入し、激しいタイトル争いを繰り広げました。どのメーカーが栄光を掴むのか、世界中のモータースポーツファンが注目する中、各チームは車両開発やドライバー育成に力を注ぎました。

一方、新設されたFIAカップでは、多くのドライバーが世界チャンピオンの座を目指してしのぎを削りました。WRCの各ラリーでの好成績はもちろんのこと、追加された10のイベントでの結果も重要視され、ドライバーたちはあらゆる状況下で安定したパフォーマンスを発揮することが求められました。

1978年シーズンのWRCは、マニュファクチャラーとドライバーの両タイトルが争われるようになったことで、シリーズ全体のレベルが向上し、観戦するファンにとっても、よりエキサイティングなものになったと言えるでしょう。このシーズンの結果とランキングは、世界ラリー選手権の歴史に大きな足跡を残し、後のシーズンへと繋がる重要な出来事となりました。FIAカップというドライバーズ選手権が誕生したこの年は、世界ラリー選手権の新たな時代を切り開く重要な転換期だったのです。そして、このFIAカップは翌年には世界選手権のドライバーズタイトルへと発展し、現代の世界ラリー選手権へと繋がっていくのです。

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