1980年アーネムパラリンピック

1980年アーネムパラリンピックは、1980年6月21日から6月30日までの期間、オランダのヘルダーラント州アーネムにて開催された、夏季パラリンピックの第6回大会にあたります。

本大会は「アーネム1980（Arnhem 1980）」の名称でも呼ばれ、開催当時の正式名称は「身体障害者オリンピックアーネム大会（OLYMPICS FOR THE DISABLED HOLLAND '80）」でした。この大会は、障がいのあるアスリートたちが国際的な舞台で競技を行う重要な機会を提供しました。

この年の国際情勢において特筆すべき点として、同年にソビエト連邦のモスクワで開催された夏季オリンピックを、多くの西側諸国がボイコットするという出来事がありました。しかし、これらの国々がアーネムでのパラリンピックには参加したことは、当時のスポーツを取り巻く多様な状況や、パラリンピックの持つ独自の意義を示す一面と言えるでしょう。このような背景のもと、世界各国から選手団が集結し、大会は盛大に行われました。

大会では、多岐にわたる競技で熱戦が繰り広げられ、各国の選手たちは限界に挑みました。各種目の成績に基づき、各国のメダル獲得数順位も発表され、障がい者スポーツの国際的なレベル向上を示す場となりました。

日本選手団もこのアーネム大会に参加し、素晴らしい成果を収めました。選手たちは日頃の練習の成果を発揮し、多くのメダルを獲得して日本の存在感を示しました。日本は合計で、金メダル7個、銀メダル7個、銅メダル6個のメダルを獲得しました。

以下に、主な日本人メダリストとその獲得メダルを示します。

金メダル

郷忠信（陸上男子スラローム4）
大前千代子（アーチェリー女子ダブル麻痺ノービス）
小林末則（陸上男子競歩5km）
松井浩正（陸上男子高飛びB）
延元博美（陸上女子100m F、陸上女子槍投げF、陸上女子幅跳びF）
角田好雄（陸上男子スラローム2）
石井政二（ローンボウルシングルスF）

銀メダル

岸野忠（アーチェリー男子ダブル麻痺ノービス）
石井政二（陸上男子高飛びF、陸上男子幅跳びF）
原雅弘（陸上男子スラローム4）
村松正文（陸上男子幅跳びB）
延元博美（陸上女子円盤投げF、陸上女子砲丸投げF）
小川文男（陸上男子スラローム5）
初見利一（ローンボウルシングルスE）

銅メダル

佐藤雅夫（アーチェリー男子ダブル切断）
大前千代子（陸上女子スラローム4）
大城康美（陸上女子競歩3km A）
山口和夫（陸上男子スラローム1C）
井下昭二（競泳男子50m背泳ぎF、競泳男子50m自由形F）
角田好雄（競泳男子25mバタフライ2）

特に、延元博美選手は金メダル3個と銀メダル2個、石井政二選手は金メダル1個と銀メダル2個、また大前千代子選手と角田好雄選手もそれぞれ金メダル1個と銅メダル1個を獲得するなど、複数の種目で輝かしい成績を収めた選手がいました。これらの日本人選手の活躍は、当時の日本国内における障がい者スポーツへの関心を高める上でも重要な役割を果たしました。

1980年アーネムパラリンピックは、国際的な政治状況の影響を受けつつも、アスリートたちの情熱と努力が輝いた大会であり、その後のパラリンピックムーブメントの進展においても一歩を記す出来事となりました。

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