1981年の読売ジャイアンツ

1981年の読売ジャイアンツの活躍

1981年の読売ジャイアンツは、藤田元司監督による就任初年度のシーズンとなり、チームは過去3年間の優勝からのブランクを乗り越え、見事にリーグ優勝と日本一を達成しました。

藤田元司監督の就任

チームの再建を任された藤田監督は、選手時代に多くの実績を残したエースであり、監督就任後は即座にチームの立て直しに着手しました。特に注目すべきは、引退したばかりの王貞治を助監督に迎え、牧野茂をヘッドコーチに起用したことです。このトリオ体制は「トロイカ」とも称され、チームの新たな方向性を示しました。さらに、新しいユニフォームが1974年以来の早稲田文字を復活させる形でデザインされ、チームの原点に立ち返る意義を持ちました。

開幕からの快進撃

シーズンのスタートは好調で、4月には見事な10連勝を達成しました。その後も、5月後半から引き分けを挟んで9連勝を記録し、強いチームの姿勢を確立しました。8月と9月にも連勝を重ね、9月23日には広島が中日に敗れたため、4年ぶりにリーグ優勝が決定しました。その後の日本シリーズでは、日本ハムに対し4勝2敗で勝利を収め、V9最後の1973年以来8年ぶりとなる日本一に輝きました。

投手陣の活躍

投手陣の優秀さも特筆すべき点です。前監督の長嶋茂雄時代に鍛えられた江川卓や西本聖を中心に、定岡正二や加藤初などがローテーションを守り、特に角盈男が抑えとして活躍しました。シーズンの防御率は2.88で、2年連続でリーグトップに立ち、江川は20勝6敗を記録。西本も18勝12敗、加藤は12勝6敗2セーブと、3枚のエースが73勝のうち50勝を上げるという活躍を見せました。

打撃陣の力

打撃面でも新たに入団した原辰徳が新人王を獲得し、22本のホームランを放つなど、打線の中心として大いに貢献しました。中畑清や篠塚和典、松本匡史、ロイ・ホワイトらも活躍し、特に中畑は一塁手に転向し、過去最高の成績を残しました。また、篠塚は二塁手として阪神の藤田平と首位打者を争うほどの成績を挙げ、投打が噛み合ったシーズンとなりました。

シーズンの終わりに

シーズン終了後には大洋から移籍した松原誠が代打で貢献し、その後V9戦士の柴田勲と共に引退を決意しました。この年の最下位大洋に対しては20勝4敗2分けと相性が良く、前半戦では15勝2敗2分けと大きく勝ち越しました。

1981年の読売ジャイアンツは、チームの士気と戦力が高まり、監督、選手が一丸となって優勝への道を切り開いた特別なシーズンとなりました。

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