1983年の中日ドラゴンズ

1983年の中日ドラゴンズのシーズン概要

1983年の中日ドラゴンズは、近藤貞雄監督の3年目としてシーズンに臨みました。前年の成功から期待が寄せられ、2年連続のリーグ優勝と日本一の奪回が目指されました。しかし、シーズンが始まると、チームは思うように勝ち星を重ねることができませんでした。

開幕戦からの苦境

開幕から低迷が続き、チームの状態は一進一退を繰り返しました。5月には正捕手の中尾孝義がケガをするなどの影響もあり、一時は最下位に転落しました。その後も厳しい戦いが続き、チームの士気も下がり気味でした。

復調の兆しとAクラス争い

6月に入ると次第に持ち直しを見せ、大洋、阪神、他の4球団との間でAクラス争いが始まりました。9月にはヤクルトが脱落し、残りの2チームと直接対決の形になりました。しかし、この勢いも10月には8連敗と、チームが再び苦しむことになりました。

最終決戦と結果

10月の成績は3勝12敗と振るわず、最終的にヤクルトを0.5ゲーム差で振り切り最下位は免れたものの、前年の優勝からわずか1年で5位に転落しました。特に大洋とは7ゲーム差もつく結果となり、ファンの失望を呼びました。

投手陣の成績

かつてのエースであった星野仙一が引退し、若手投手が育つ中、郭源治が2ケタ勝利を挙げる活躍を見せました。他の投手、三沢淳、小松辰雄、都裕次郎、牛島和彦などもそれぞれ一定の成績を残しましたが、リリーフ陣は不調に陥り、チーム防御率は4.11でリーグ3位に留まりました。

打撃陣の活躍

一方で打撃陣はベテランの大島康徳が本塁打王に輝くなど活躍を見せました。前年大洋の長崎啓二と打撃部門で競争を繰り広げた田尾安志や遊撃手の宇野勝も好調でしたが、主力選手の故障が続きました。エラーも多く、121失策を記録してしまい、チームとしての守備力の低下が目立ちました。

監督の辞任と反省

シーズン終了後、近藤監督は連覇を期待されながらも巨人に優勝を許し、結果として責任を取って辞任を選びました。対戦成績では大洋に対し13勝12敗1分、阪神には12勝13敗1分と互角の戦いを見せたものの、巨人には9勝16敗1分と大きく負けを越し、優勝を決める試合には十分に力を発揮できませんでした。

このように、1983年の中日ドラゴンズは期待を裏切る結果に終わり、ファンや関係者にとって苦い思い出となりました。この年の経験を糧に、翌年以降の成長と再起を期することとなりました。

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