1983年の南海ホークス

1983年の南海ホークスについて

1983年の南海ホークスは、同年に穴吹義雄監督が就任したことからその特徴づけがなされました。穴吹監督は、以前にも代理監督としてチームを指揮した経験を持っており、シーズン入る前からチームの低迷に対して強い危機感を抱いていました。彼は、「泥まみれ野球」や「考える野球」が過去に失敗したことを受けて、勝ち負けに関わらず、明るい雰囲気の中で野球を楽しむ方針を打ち出しました。

政策と改革の試み

穴吹監督は、チームの変革を敢行するためにユニフォームの変更を川勝オーナーに提案しましたが、資金の問題から実現には至りませんでした。結局、ズボンをベルト式にするという小幅な変更が行われるにとどまりました。シーズンの始まりは、ロッテが5月以降最下位となり、南海ホークスは7月時点で首位の西武と16ゲーム差をつけられながらも、4位に位置づけられていました。この頃、Aクラス入りを期待する雰囲気が漂っていましたが、8月に入ると成績は急降下し、4勝16敗3分けという結果に終わり、近鉄に抜かれて5位に落ち込みました。

シーズン後半の変化

9月以降はチームが持ち直し、安定したパフォーマンスを取り戻しましたが、最終的に優勝の西武との差は31ゲーム、3位の日本ハムとの距離は11ゲームという結果に終わりました。投手陣に目を向けると、「山内トリオ」のひとり、山内和宏が18勝を挙げて最多勝を獲得し、山内孝徳も10勝と安定した成績を残しました。しかし、ベテランの山内新一は思わぬ不振に見舞われ、防御率8点台という成績に終わり、わずか2勝しか挙げませんでした。結果的にチーム全体の防御率は4.75となり、これがリーグの中で5位という評価に繋がりました。

打撃陣の成績

打撃陣では、4番を務めた門田博光が40本のホームランを放ち、本塁打王のタイトルを手に入れました。また、正捕手の香川伸行はベストナインに選出され、その他にも五人の選手が2桁本塁打を記録しました。しかし、チーム全体としては本塁打数128本でリーグ5位、得点数も548点で同じくリーグ5位という結果で、チームの攻撃力には限界があったことも否めません。

このように、1983年の南海ホークスは穴吹監督の指導のもと、チームの再生を目指しましたが、厳しい成績となってしまいました。明るい野球という理念を掲げたものの、実際には上位進出を果たせず、チームの課題は残されたままとなりました。

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