1983年の日本シリーズ

1983年の日本シリーズの概要

1983年に開催された日本シリーズは、10月29日から11月7日まで行われた。対戦カードはセ・リーグ優勝チームの読売ジャイアンツとパ・リーグ優勝チームの西武ライオンズであり、これはプロ野球日本選手権シリーズの第34回目にあたる。

スリリングな対戦

この年の日本シリーズは、関東の球団同士が対戦するのは4度目となり、また西武ライオンズが前身の西鉄ライオンズから数えて20年ぶりに読売ジャイアンツと対戦した。両チームの監督、広岡達朗（西武）と藤田元司（巨人）の戦略も注目された。結果、西武が4勝3敗と勝利し、日本一の座を手にした。これは西武にとって、前身時代を含めて5度目の日本一であったが、何より本拠地である後楽園球場での初めての日本一決定の試合となった。

熱い注目を集めたこのシリーズ

マスコミは「球界の盟主の座を賭けた戦い」と煽り、視聴率は連日40%を超える盛況ぶりであった。特に記録的な3度のサヨナラ試合を含むこのシリーズは、逆転劇が続出し、日本シリーズの名勝負と称賛された。選手たちも精神的な疲労を露わにし、時には「どちらが勝ってもいい」という感情に達したこともあった。

戦略と準備

西武はシーズン中から巨人の選手を徹底的に研究し、特に田淵幸一は江川卓の投球を熟知するためにビデオを何度も観返した。一方、巨人はエース・江川が期待外れの結果となり、試合を通してその影響が色濃く出た。また、抑えの角三男も負傷により本来の力を発揮できず、投手陣の疲労を招く要因となった。これに対し、西武はエース東尾修をリリーフに回し、適任のリリーフ投手として森を起用し、万全の対策を積んでいた。

各試合の流れ

本シリーズは全7戦で構成され、その中でも印象に残る試合が多々あった。第1戦では江川が早々にノックアウトされ、巨人は初戦から出遅れた。第2戦では西本が完封勝利を収め、シリーズは1勝1敗のタイとなった。

第3戦では巨人がサヨナラ勝ちし、勢いを取り戻したと思われたが、第4戦以降は西武が逆転劇を演じ、最終的に勝利を収めて日本一に輝いた。特に第7戦では、両者の意地がぶつかり合い、巨人がリードする場面もあったが、西武が見事な逆転劇で勝利した。

表彰選手

このシリーズでは、大田卓司が最高殊勲選手賞を受賞し、彼の活躍が西武の勝利に大きく寄与した。江川は苦しい投球が続いたが、巨人の西本聖も敢闘賞を獲得し、連続イニング無失点記録を持つなど高いパフォーマンスを見せた。

テレビ視聴率

視聴率も高く、特に第2戦と第5戦はそれぞれ41%を超え、シリーズ全体を通して多くのファンの注目を浴びたことが証明された。

日本シリーズの激闘は、西武ライオンズが新たなる歴史を築く瞬間となった。このシリーズでの経験は、選手たちやファンにとって永遠に記憶に残るものとなった。

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