1983年アジア野球選手権大会

1983年アジア野球選手権大会

第12回大会にあたる1983年のアジア野球選手権は、前回の開催から8年という長いブランクを経て再開されました。本大会は、1983年9月3日から9月13日までの期間、韓国の首都ソウルで行われました。

大会方式と参加国

大会には、開催国の韓国に加え、日本、チャイニーズタイペイ、フィリピン、オーストラリアの計5カ国・地域が参加しました。

大会の進行方式としては、まず参加全5カ国による予選リーグを実施。この予選リーグの上位4カ国が決勝リーグへ進出する形式が採用されました。決勝リーグでは、予選リーグでの対戦成績も合算して最終順位が決定される方式でした。

本大会より、台湾はオリンピックに準じた国際的な慣例に倣い、「チャイニーズタイペイ」という名称で初めて大会に参加した点が特筆されます。

ロサンゼルスオリンピックアジア予選

この大会は、翌1984年に開催されるロサンゼルスオリンピックの野球競技アジア地域予選を兼ねていました。当初の予定では、本大会で優勝した国・地域にオリンピックへの出場資格が与えられることになっていました。

大会結果と同時優勝

予選リーグ、そして決勝リーグを終えた結果、最終的な順位において日本、韓国、チャイニーズタイペイの3カ国・地域が全くの同成績で並ぶという、大会史上初めての事態が発生しました。これにより、規定により単独の優勝国を決定することが困難となり、この3カ国が「同時優勝」という形で優勝を分け合うことになりました。

五輪代表決定戦

同時優勝という結果を受けて、ロサンゼルスオリンピックの出場資格をどのように決定するかが焦点となりました。

幸いにも、韓国は既に第27回アマチュア世界野球選手権で優勝しており、この結果によってロサンゼルスオリンピックへの出場権を既に獲得していました。したがって、韓国以外の、同時優勝を果たした日本とチャイニーズタイペイの間で、残る一つとなったアジア枠のオリンピック出場権をかけた代表決定戦を行う必要が生じました。

この重要な代表決定戦は、大会最終日の9月13日に行われました。緊迫した戦いの末、日本がチャイニーズタイペイを2対1で破り、ロサンゼルスオリンピックへの出場権を獲得しました。

このように、1983年のアジア野球選手権大会は、8年ぶりの再開、チャイニーズタイペイ名義での初参加、そして前代未聞の3カ国同時優勝からの五輪代表決定戦という、多くのドラマを含んだ記憶に残る大会となりました。

もう一度検索