1984年の読売ジャイアンツ

1984年の読売ジャイアンツ

1984年は、読売ジャイアンツにとって特別な年でした。球団創立50周年という節目の年であり、新たに王貞治が監督に就任した最初のシーズンでもあります。前任の藤田元司から助監督としての経験を持つ王監督によるチームの再編成は、ファンからの期待を寄せられました。特に、メジャーリーグからウォーレン・クロマティを獲得したことで、シーズン前の評価は高まりました。

しかし、実際のプレーは期待とは裏腹にスタートしました。開幕からの10試合で1勝しかできず、この時点での成績はファンを失望させました。4月は5勝10敗5分と苦しい船出を強いられましたが、5月には5連勝を果たし、続いて6月には7連勝を記録するなど、徐々に復調の兆しを見せました。この時期には、多くの試合で選手たちの奮闘が光り、自力優勝の可能性も感じられました。

8月下旬には10連勝を達成し、優勝争いに絡む姿勢を取り戻しましたが、9月15日と16日に行われた広島戦では長嶋清幸に連続してサヨナラ本塁打を浴び、優勝の夢は断たれてしまいました。その後、9月23日から5連勝を果たしましたが、結果的には広島から8.5ゲーム差の3位でシーズンを終えることになりました。

投手陣に目を向けると、先発ローテーションには江川卓、西本聖、定岡正二の3人が名を連ねていました。しかし、定岡は前年からの腰痛に悩まされ、2桁敗戦を喫してローテーションから外れる結果に。また、前年の新人王槙原寛己は勝ち越せず、リリーフ陣は角三男と鹿取義隆が中心になりましたが、後半からは斎藤雅樹も台頭しました。結果的にチーム防御率は3.66でリーグ2位となり、広島に次ぐ成績をマークしました。

一方、打撃陣では篠塚利夫が初の首位打者を獲得し、原辰徳の不振を受けて4番に座った中畑清は自身最多の31本塁打を記録しました。新加入のクロマティも期待に応えて活躍し、チームは186本の本塁打を放ち、リーグ2位の成績を残しました。広島との対戦では12勝12敗2分と互角の戦いを見せましたが、広島のホームでの試合では苦手意識が災いし、なかなか勝利を収められませんでした。また、2位の中日には同一カードで14連敗を喫するなど、厳しい状況もありました。

このように、1984年のシーズンは波乱万丈の結果となった読売ジャイアンツ。新監督の下での挑戦は、選手たちにとっても成長の機会となったことが感じられる一年でした。

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