1984年サラエボオリンピック

1984年サラエボオリンピック

1984年冬季オリンピックは、1984年2月8日から2月19日までユーゴスラビア社会主義連邦共和国のボスニア・ヘルツェゴビナに位置するサラエボで開催されました。サラエボが冬季オリンピックを主催するのは初めてであり、共産圏での開催自体も初めての試みでした。

大会の背景

この大会の開催地は、1978年5月18日にアテネで行われた第80回国際オリンピック委員会（IOC）総会で決定されました。当初はサラエボ、スウェーデンのイェーテボリ、そして日本の札幌の3都市が候補に挙げられ、熱心な誘致活動が展開されました。特に札幌は既存の施設が多かったため、最有力候補とされていました。しかし、最終的にはサラエボが決選投票で逆転し、開催権を獲得しました。

マスコット「ブチコ」

大会のシンボルとされたマスコットは伝説のオオカミがモチーフの「ブチコ」です。ブチコはユーゴスラビアの文化を象徴し、子供たちに親しまれました。

大会の特徴

このオリンピックは、入賞枠が6位から8位までに拡大された初の冬季オリンピック大会となり、大会の形式にも新たな変更が加えられました。開会式では、IOC会長フアン・アントニオ・サマランチが就任してから初めての大会となり、多くの注目が集まりました。また、オリンピック旗が逆に掲揚されるというハプニングもありました。

新競技の導入

今回のオリンピックでは、クロスカントリー[[スキー]]女子20kmが新たな競技種目として追加されました。また、アルペン[[スキー]]男子大回転ではユーゴスラビアのユーレ・フランコが銀メダルを獲得し、同国初の冬季オリンピックメダリストとなりました。フィンランドのマルヤ＝リーサ・ハマライネン選手は、5km、10km、20kmのクロスカントリー[[スキー]]で金メダルを獲得し、女子個人種目の完全制覇を達成しました。

メダリストの活躍

1984年の大会ではさまざまな国の選手が輝きを放ちました。特に、フィリップ・メーアとスティーヴ・メーアの双子兄弟は、アルペン[[スキー]]回転で金銀メダルを獲得しました。さらに、東ドイツの女子選手たちはスピードスケートで全種目を制覇し、その圧倒的な強さを示しました。

終わりに

サラエボオリンピックは、競技施設が戦後のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争によって多くが破壊され、現在も廃墟として残る場所も多く存在します。このような歴史的背景を持つ大会は、オリンピックの重要性を再確認させるものでもありました。また、サラエボは2010年と2018年の冬季オリンピックに立候補しましたが、実現には至っていません。

この1984年サラエボオリンピックは、民族と歴史が交錯する地でのスポーツの祭典として、多くの人々の心に刻まれ続けることでしょう。

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