1986年の中日ドラゴンズ

1986年の中日ドラゴンズのシーズンレビュー

1986年の中日ドラゴンズは、監督山内一弘の3年目にあたるシーズンでした。前年は大洋と熾烈な4位争いを繰り広げ、最終的に5位でシーズンを終えたチームは、今シーズンの巻き返しを図るべく新しい選手を加えました。特にゲーリー・レーシッチの獲得は、打撃陣の底上げに期待を寄せるものでした。

しかし、シーズンの幕開けは波乱の連続でした。広島との開幕3連戦ではいきなり3連敗を喫し、厳しいスタートとなりました。チームは5月に入り11勝9敗と勝ち越しに成功するものの、梅雨入りと共に打撃陣が沈黙してしまいました。6月以降は一進一退の状況が続き、7月にはチームの低迷が続く中で、山内監督の休養と高木守道守備コーチの代理監督就任が発表されました。

高木新監督のもとでチームは立ち直りを見せるも、終盤に差し掛かると再度の困難が待ち受けていました。最終的には大洋に勝率で抜かれ、2年連続となる5位の成績でシーズンを終えることになりました。1983年以来、借金が2ケタになる厳しい結果も影響を及ぼしました。

投手陣は移籍2年目の杉本正がエースとして活躍し、小松辰雄、鈴木孝政、郭源治らがチームの防御率を4位の3.70に押し上げました。しかし打線の支援が乏しく、勝てる試合を落としてしまうことも多くありました。打撃陣はリーグ4位の131本塁打を記録しましたが、かつて4番を任された大島康徳や谷沢健一は年齢的な衰えが見え、1984年の本塁打王だった宇野勝も三塁コンバート後に不調に陥り、二軍落ちを経験しました。ゲーリーや川又米利の活躍もあったものの、チームの打率はリーグ最低の.242に終わりました。

シーズンオフには、39歳の谷沢が引退し、山内監督も辞任しました。新たにチームはOBの星野仙一を招聘することとなります。星野新監督はオフにロッテから落合博満を1対4のトレードで獲得し、1988年の優勝へとつながる道を開くことになります。カード別成績では、大洋には13勝11敗2分と勝ち越したものの、優勝した広島や2位の巨人には大きな負け越しを喫しました。

以上が1986年の中日ドラゴンズの振り返りです。この年のさまざまな出来事や成績は、後の展開を見据えた重要な要素となるでしょう。

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