1986年の読売ジャイアンツ

1986年の読売ジャイアンツ

1986年の読売ジャイアンツは、王貞治監督が3年目を迎える重要なシーズンでした。この年、ジャイアンツは優勝を目指し、意気込みをもってシーズンに臨みましたが、厳しい戦いが待っていました。

シーズンの動向

王監督の就任以来、読売ジャイアンツは2年連続で3位という結果に終わっていたため、今シーズンこそは成績を向上させたいとする強い願望があったものの、シーズンのスタートは予想外の困難に直面しました。特に、前年の勝ち頭である斎藤雅樹が先発登板で苦しむなど、チームは前半の段階で僅か2つの勝ち越しにとどまりました。

しかし、6月になると状況が一変します。新人の桑田真澄がプロ初勝利を完投で挙げると、それをきっかけにチームの士気も高まりました。続く中旬には7連勝を達成し、一時は首位に立つことになります。前半を終えた時点では2位に位置し、期待がかかる中でシーズンを進めました。

後半に入ると、前年の覇者である阪神タイガースが「死のロード」で脱落し、広島東洋カープとの熾烈なマッチレースが展開されました。8月下旬には広島との直接対決に連勝し、さらに5.5ゲーム差をつけるなど、チャンスは広がります。

しかし、9月に入ると状況は厳しくなりました。広島が投手陣の奮闘により追い上げ、9月23日の直接対決では敗北。また、原辰徳選手が負傷離脱するハプニングも起こり、これがチームに大きな影響を及ぼしました。代わりに四番打者に名乗り出たウォーレン・クロマティが驚異的な活躍を見せ、チームは再び8連勝を記録しました。

残り2試合を残して迎えた10月7日、最下位のヤクルトとの試合では槙原寛己が痛恨の本塁打を許してしまい、その結果、わずか3厘差で再び優勝を逃す形となりました。

投手および打撃陣のパフォーマンス

この年の読売ジャイアンツは、投手陣が改善を見せ、皆川睦雄投手コーチの就任によりチーム防御率は前年の3.96から3.12へと向上しました。また、打撃陣においても原やクロマティ、松本匡史の好調が目立ち、155本塁打を記録しリーグ2位、打率も.270で阪神に次ぐ成績を収めました。これらの要素が合わさりながらも、惜しくもタイトル獲得には至らなかった1986年のシーズン。その悔しさは、次のシーズンへと繋がるエネルギーに変わっていくことでしょう。

今シーズンを振り返ると、個々の選手の成長とチーム全体の強化が感じられ、今後の発展に向けた基盤が築かれた年でもありました。

もう一度検索