1990 FIFAワールドカップ

1990 FIFAワールドカップ

1990 FIFAワールドカップは、1990年6月8日から7月8日までの間、イタリアで開催された第14回目の大会です。イタリアでは1934年以来2度目の開催となります。この大会では116の国と地域が予選に参加し、その中から22チームが出場権を獲得しました。開催国のイタリアと前回優勝のアルゼンチンも自動的に出場が認められ、最終的に24チームが競い合うこととなりました。

大会の公式球は「エトルスコ・ユニコ」、また公式マスコットはサッカーボールとイタリア国旗を組み合わせた「チャオ」です。これに加え、この大会は日本のNHKとイタリア放送協会の協力により、世界各国に高精細度テレビ放送として配信された最初のワールドカップでもありました。

決勝戦

決勝戦は西ドイツ対アルゼンチンの再戦となり、これは2大会連続でのカードとなりました。決勝戦では西ドイツがアルゼンチンを1-0で下し、3回目のワールドカップタイトルを獲得しました。この試合は特に注目を集めましたが、西ドイツについては1990年末に東ドイツとの再統一を控えており、これが西ドイツ代表として最後の出場となりました。また、東欧の国々であるチェコスロバキア、ユーゴスラビア、ソビエト連邦もこの大会が最後の出場となりました。

大会は多くの記録と共に、得点数が平均2.21という低さを記録したことや、決勝戦で初めて退場者が出たことにより、歴史上最も退屈な大会とも批評されました。しかし、開幕戦ではカメルーンがアルゼンチンを破るという波乱もあり、アフリカ勢が初めて準々決勝に進出するなどの活躍が見られました。

開催国選定の経緯

1990年大会の開催国選定は1983年7月31日に行われ、イタリア、イングランドなど8か国が立候補しましたが、最終的にはイタリアが1984年のFIFA理事会で開催国に選ばれました。イタリアは1934年に続く2回目の開催となり、過去に優勝を経験していたことも要因となりました。

予選

予選には116の国が参加を表明しましたが、出場停止処分や棄権もあり、最終的には103チームが競い合いました。自動的に出場権を得たイタリアとアルゼンチンを除く、残りの22チームはヨーロッパ、南米、アフリカ、アジア、北中米カリブ海の各地域からの枠を争いました。

予選ではメキシコとチリがサッカー連盟から出場停止を受け、多くのチームが初出場を果たしましたが、一方で前回進出したフランスやデンマークは予選で敗退しました。

出場国と対戦

参加チームは、各国の星たちが集結し、グループリーグから決勝トーナメントへと進んでいきました。英語やフランス語で広がる試合の活躍と悲鳴、歓喜は今も多くのファンの記憶に深く刻まれています。

大会の評価と改善策

この大会の結果は多くの反省を呼び起こしました。特に、「守備的サッカーの横行」が指摘され、1992年にはバックパス・ルールや勝ち点制度の見直しなどが導入されることとなります。

1990年のワールドカップは、ただのスポーツイベント以上の影響を与え、次回以降の大会にも大きな影響を及ぼしました。サッカーにおける新たなルール改正や戦術の変化も、この頃から始まったと言えるでしょう。

このように、1990 FIFAワールドカップはさまざまなドラマや改革を生んだ特別な大会でした。その後の大会においても多くの教訓が活かされていることは間違いありません。

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