1991年のオールスターゲーム (日本プロ野球)

1991年プロ野球オールスターゲーム：記憶に残る名場面

1991年7月に行われたプロ野球オールスターゲームは、数々のドラマと珍事が繰り広げられた大会として、今もなお語り継がれています。ここでは、その詳細な内容を振り返ります。

試合概要

前年日本一に輝いた西武ライオンズの森祇晶監督が全パ（オールパシフィック・リーグ）を、2年連続でセ・リーグを制覇した読売ジャイアンツの藤田元司監督が全セ（オールセントラル・リーグ）を率いました。当時、空前の人気を誇った若花田・貴花田の若貴兄弟による始球式で幕を開けた第1戦、波乱万丈の展開となった第2戦、それぞれを詳しく見ていきましょう。

第1戦：古田敦也の盗塁阻止

第1戦では、全セの古田敦也（ヤクルト）が際立った活躍を見せました。全パが仕掛けた2回、3回、8回の全ての盗塁を阻止。特に、2回の松永浩美（オリックス）、8回の秋山幸二（西武）は、いずれも盗塁王のタイトルを獲得したことのある走者であり、古田の鉄壁ぶりを際立たせました。パ・リーグ先発の野茂英雄は、初回に立浪和義から三振を奪うなど6奪三振の力投を見せましたが、敗戦投手となりました。

第2戦：前代未聞の珍事

第2戦は、予想外の出来事が続出する波乱の展開となりました。1点を追う全セは、7回裏に高木豊（大洋）が同点打を放ち、試合は膠着状態のまま延長戦へ。両軍とも選手を使い果たし、12回表には前日先発したばかりの槙原寛己（巨人）が、練習用シャツのまま緊急登板する事態となりました。さらに、秋山幸二が自打球を顔面に受けて負傷退場。野手を使い切った全パは、野茂英雄（近鉄）がオリックスのヘルメットを被って代打に登場するという珍事も起こりました（結果は見逃し三振）。その裏の守備では、工藤公康（西武）が外野の守備につくという異例の事態となりました（守備機会はなし）。

この試合の延長12回に起きた数々のハプニングが影響し、翌年からはオールスターゲームでの延長戦は行われなくなりました。また、この試合では門田博光（当時オリックス）が43歳5ヶ月で本塁打を放ち、オールスターゲームにおける本塁打の最年長記録を樹立しました。

テレビ・ラジオ中継

第1戦はテレビ朝日系列で、第2戦は日本テレビ・広島テレビの共同制作で中継されました。解説には、長嶋茂雄、稲尾和久といった往年の名選手が登場。ラジオ中継もNHKラジオ第1、TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送、ラジオ日本、ラジオ大阪など、各局が実況と解説を交えて熱戦の模様を伝えました。

まとめ

1991年のオールスターゲームは、若貴兄弟の始球式から始まり、古田敦也の盗塁阻止、槙原寛己の緊急登板、野茂英雄の代打出場など、数々の記憶に残るシーンが生まれました。特に第2戦は、その後のオールスターゲームのルール変更にも影響を与えるほど、異例ずくめの試合となりました。野球ファンにとっては、決して忘れられない大会として、語り継がれることでしょう。

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