1991年の映画

1991年の映画業界の動向

1991年は映画界において多くの重要な出来事がありました。この年の動向は、国内外の映画制作や公開においてさまざまな変化をもたらしました。以下、主要な出来事やトピックを整理してみます。

世界的な出来事

8月7日、アメリカの映画制作会社、コロンビア・ピクチャーズ・エンタテインメントが「ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント」に名称変更しました。この改称は、グローバルなエンターテインメント市場での影響力を強調することを目的としていました。

9月14日、ヴェネツィア国際映画祭が開催され、『無能の人』が国際批評家連盟賞を受賞しました。この映画は竹中直人が監督を務め、主演も務めて一際話題を呼びました。

また、同月16日にはロンドン日本協会100周年を祝うために、ジャパンフェスティバルが開催され、日本文化と映画が国際的に注目される機会となりました。

日本国内の出来事

日本に目を向けると、1月26日にはトーメンの創立70周年を記念して映画『動天』が封切られ、大ヒットを記録しました。映画業界は、このような大作による盛り上がりを経験しました。

1991年はまた、邦画成人映画の大手会社である東活が解散し、業界の再編成が進みました。その結果、成人映画製作は新日本映像、大蔵映画、新東宝映画の3社に集約されました。

映画制作のトレンド

3月9日には「'91春東映アニメフェア」が封切られ、大ヒットを収め、アニメ作品の重要性を再確認させました。また、同月には東宝がオリジナルビデオ「東宝シネパック」をリリースし、映像作品の多様性が進む時代を迎えました。

さらに、4月には日本衛星放送（JSB）が有料放送を開始し、新たな視聴スタイルが普及し始めました。このような動きが映画の消費パターンを変えていくこととなります。

ヒット作品と興行成績

また、7月には高畑勲監督の『おもひでぽろぽろ』が公開され、大きな反響を呼びました。同じく『ターミネーター2』も8月に公開され、東宝洋画系の作品の中で史上最高の配給収入を記録しました。

1年間の映画業界の興行収入は、1633億7800万円に達し、入場者数は1億3833万人と、前年の1億4357万人を下回る結果となりました。この記録は戦後の最低値であり、特に米国映画市場の停滞が影響したと言われています。

映画祭と受賞

9月にはアジアフォーカス・福岡国際映画祭が初めて開催され、映画における国際的な交流が促進されました。また、同じく9月27日から始まった東京国際映画祭でも多くの注目作が上映されました。

受賞の面では、第64回アカデミー賞で『羊たちの沈黙』が作品賞を受賞し、特にアンソニー・ホプキンスとジョディ・フォスターが主演したこの作品は多くの賞を受賞しました。

結論

1991年は映画業界にとって、国際的な注目や新しい取り組みがあった年でした。日本国内では多くの映画がヒットし、業界全体が新たな方向に進む基盤が整えられていきました。これらの出来事は、今後の映画業界の発展に大きな影響を与えることとなるでしょう。

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