1992年の中日ドラゴンズ

1992年の中日ドラゴンズ

1992年は、中日ドラゴンズにとって特別なシーズンとなりました。この年のチームは、高木守道が監督として初めて迎えたシーズンであり、選手やスタッフが新しい方向へと進む過程が見られました。前監督の星野仙一から、どんな変化がもたらされたのでしょうか。

監督交替とチームの変革

前年まで指揮していた星野監督から高木監督へと交代し、コーチ陣も一新されました。高木監督は1986年以降、代理監督として学生時代にも事務局に携わった経歴をもちますが、フルシーズンを通じての指揮は初めてでした。また、落合博満選手をトレードしようとする試みもありましたが、その意向はチームオーナーから拒否されました。このように、チームの基盤が大きく変化する中で、前年の選手たちも起用されなくなることが多く、結果として戦力が大きく変わりました。

開幕と困難

開幕戦では、郭源治が投球中に脹脛を痛めて65球で降板し、主力投手を早々に失う事態が発生。この他にも、7回には立浪和義が決勝本塁打を打ちましたが、彼も太ももの故障で戦列を離れることとなりました。さらに、開幕から好成績を残していた今中慎二が骨折という不運に見舞われ、長期離脱を余儀なくされました。チームはこの影響を受けつつも、なんとか勝率5割を維持していましたが、6月中旬の連敗で状態が悪化。

軍団としての戦い

7月には、落合選手の登録抹消が響き、遂に最下位に転落しました。8月には9連敗や6連敗といった厳しい状況が続きました。特に巨人との接戦では、6月7日以降の成績が振るわず、最終的に巨人が順位を上げる要因となりました。

投手陣では、山本昌広が13勝を挙げ、スコット・アンダーソンと小松辰雄も9勝を記録。しかし、郭は故障の影響で4勝に留まり、期待されていた西本聖も1勝と厳しい結果でした。この時期、チームの防御率は3.91と最下位を記録。

一方、打撃陣は多くの選手が故障に見舞われ、安定したオーダーを組むことができず、最終的にはチーム本塁打数が108本でリーグ4位に終わりました。また、盗塁数も広島と差がつき、結局4位に留まりました。このように、本年の成績は厳しいものでしたが、それでも選手たちの奮闘は多くのファンに愛されました。

オフの動向と収束

シーズンが終わった後のオフには、人気選手の宇野勝選手と長嶋清幸選手がロッテにトレードされるなど、更なるチーム構成の見直しが検討されました。落合選手はトレードの対象にはならず、そのままチームに残りましたが、来シーズンに向けての整備が必要とされそうです。

この1992年のシーズンを経て、中日ドラゴンズは新たな挑戦に向けて一歩を踏み出すことでしょう。

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