1994年日本グランプリ (4輪)

1994年日本グランプリの概要

1994年11月6日に鈴鹿サーキットで行われた日本グランプリは、1994年F1世界選手権の第15戦で、ドライバーズチャンピオン争いの行方が大きく左右される重要なレースでした。この年のシーズンでは、ベネトンのミハエル・シューマッハが、ウィリアムズのデイモン・ヒルに対して5ポイントのリードを持って臨み、勝利すればタイトルを早々に決定づけることが期待されていました。一方、コンストラクターズ部門でもベネトンがわずか2ポイントのリードでウィリアムズと接戦を繰り広げていました。

また、このレースでは新たに3人のドライバーがF1デビューを果たしました。普段の組織ではなく国際F3000からの新星として名を挙げたフランク・ラゴルスや、ミカ・サロ、そして日本人ドライバーの井上隆智穂です。さらに、5月に事故で亡くなったアイルトン・セナを偲び、追悼セレモニーが予定されています。さらに、F1実況で長年の功績を挙げた古舘伊知郎がこのレースをもって降板することも注目されました。

予選

予選は悪天候により、雨が降りしきる中で行われました。これにより、土曜日に予定されていた予選のタイム更新が難しく、金曜日の結果をもとにスターティンググリッドが決定されました。ポールポジションを獲得したシューマッハと2位のヒルがフロントロウを形成し、フィレンツェンが3位に入るというサプライズもありました。日本人ドライバーでは、片山右京が14位、野田秀樹が23位、井上隆智穂は26位と印象的な成績を残せませんでした。

決勝

このレースは1987年以来、フルウェットコンディションでの開催となり、スタート直後から激しい雨が降り続きました。このため、スピンやコースアウトが続出し、レースは序盤から混沌とした展開となりました。特に、野田がエンジントラブルでリタイアしたほか、ハーバートや片山もクラッシュを喫し、片山は痛みを抱えながらピットレーンに退避しました。この状況を受け、セーフティーカーが出動し、レースは一時中断されました。

再開後は、中断前の天候より雨が弱まったため、安全にレースは続行されました。シューマッハが再開時に6.8秒リードしている状況で、ウィリアムズはヒルのピットストップを1回に絞る作戦を採用しましたが、シューマッハは思わぬタイムロスに悩まされます。最終的にシューマッハはペースを上げつつ、ヒルとの差を縮めていきましたが、ヒルがそのままゴールし、合計タイムではヒルがシューマッハを3.365秒上回る結果となります。

この結果、ヒルは勝利し、シューマッハとのタイトル争いはオーストラリアGPに持ち越されることになりました。3位を巡る争いでは、アレジとマンセルが激しいバトルを繰り広げ、最終的にはアレジが3位に入賞しました。入賞したのは、5位のエディ・アーバインと6位のフィレンツェンまでとなり、レースは終了しました。これにより、シーズン最後の戦いが待ち遠しくなりました。

もう一度検索