1995年(平成7年)は、日本国内の劇場において実に多種多様な
映画作品が公開された年でした。年間を通じて、ハリウッドの大作からヨーロッパやアジア各国のアート性の高い作品、そして日本の意欲的な新作や人気シリーズまで、幅広いジャンルと製作国の
映画が観客に届けられました。
海外作品の動向
この年、特に存在感を示したのはアメリカ
映画です。『
フォレスト・ガンプ/一期一会|フォレスト・ガンプ_一期一会』や『
ショーシャンクの空に』といったアカデミー賞関連の話題作が注目を集めたほか、『
ダイ・ハード3』、『
バットマン フォーエヴァー』、『
アポロ13』、『
アウトブレイク』といった娯楽大作が多数公開され、興行的な成功を収めました。また、『
マスク』のようなコメディや、『
ナチュラル・ボーン・キラーズ』のような衝撃作、『
マディソン郡の橋』のような感動的な人間ドラマまで、ジャンルの幅広さも際立っていました。スリラー、アクション、SF、コメディなど、多岐にわたるハリウッド作品が日本のスクリーンを賑わせたと言えます。
アメリカ以外にも、ヨーロッパ各国の
映画が多数紹介されました。
フランスからは『
レオン』、『
王妃マルゴ』、『
パリ空港の人々』など、多様な作風の作品が公開されました。
イギリスからは『
チャタレイ夫人の恋人』、『
リメンバランス ―記憶の高速スキャン―』などが、
イタリアからは『
シチリアの娼婦たち』などが公開され、ヨーロッパ
映画の文化的深みを示しました。また、
イランの『
クローズ・アップ』、『
トラベラー』、『
ホームワーク』など、普段あまり紹介される機会の少ない国の
映画が公開されたことも特筆されます。
アジア
映画では、香港、台湾、中国の作品が多数日本に輸入されました。特に香港
映画はアクションやコメディが多く、『
レッド・ブロンクス』、『
恋する惑星』、『
ゴッド・ギャンブラー 完結編』など、多彩なラインナップでした。台湾からは『
愛情萬歳』、『
好男好女』など、独自の作風を持つ作品が紹介されました。
日本映画の動向
日本
映画界も活発な一年でした。アニメーション
映画は引き続き人気を博し、スタジオジブリの『
耳をすませば』が多くの観客を魅了しました。また、春・夏・冬の
東映アニメフェアでは、『ドラえもん』、『ドラゴンボールZ』、『スラムダンク』など、人気テレビシリーズの劇場版が公開され、子供たちを中心に支持を集めました。『
GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊|GHOST_IN_THE_SHELL___攻殻機動隊』は、その後の国内外のクリエイターに大きな影響を与える作品となりました。
実写
映画では、『
Love Letter』、『
KAMIKAZE TAXI』、『
静かな生活』といった話題作が公開され、
映画賞でも注目されました。また、長年親しまれているシリーズ作品も健在で、『
男はつらいよ 寅次郎紅の花』が公開され、主人公である寅さんを演じた渥美清氏の遺作となりました。『
ゴジラvsデストロイア』も公開され、平成ゴジラシリーズの完結を飾りました。その他にも、『
写楽』、『
深い河』、『
幻の光』など、文学作品の
映画化や作家性の強い作品、『
学校の怪談』のようなホラー作品、アイドル主演の作品、Vシネマ系作品の劇場公開など、幅広いジャンルの実写作品が製作・公開されました。
月ごとの主な公開作例
年明けの1月には、『
不機嫌な赤いバラ』や『
未来は今』(アメリカ)、香港の『
スウォーズマン/女神復活の章』、日本の『
東京兄妹』などが公開され、年間ラインナップの口火を切りました。3月には『
フォレスト・ガンプ/一期一会|フォレスト・ガンプ_一期一会』や『
ガメラ 大怪獣空中決戦』といった、後に語り継がれることになる重要な作品が登場しました。夏休み期間(7月~8月)は特に大作の公開が多く、『
ダイ・ハード3』、『
アポロ13』、『
ウォーターワールド』といったアメリカ
映画の大型作品と、『
耳をすませば』、『
学校の怪談』など日本
映画の話題作が競合し、
映画館は賑わいました。秋には『
マディソン郡の橋』が公開され、静かな感動を呼びました。年末にかけては、『
007 ゴールデンアイ』、『
デスペラード』といったアクション大作や、『
ゴジラvsデストロイア』、『
男はつらいよ 寅次郎紅の花』といった人気シリーズの新作が公開され、一年の
映画興行を締めくくりました。
まとめ
1995年は、アメリカ
映画の圧倒的な存在感を背景に、ヨーロッパやアジア各国の多様な文化や表現に触れる機会が多く提供された年でした。同時に、日本
映画もアニメーションのヒットや個性的な実写作品の登場により、その存在感を示しました。これらの作品は、当時の社会情勢や文化を反映しつつ、多くの観客に感動や娯楽を提供しました。本項の一覧は、この年の日本における
映画公開状況を網羅的に記録したものです。