1996年ロシア大統領選挙

1996年ロシア大統領選挙

1996年に行われたロシア連邦の大統領選挙は、ボリス・エリツィンが現職の大統領として4年の任期を迎えるにあたって実施された重要な選挙でした。この選挙は、ソ連崩壊後、ロシアで行われた2回目の大統領選挙でもあり、その結果は今後のロシア政治に大きな影響を与えることになりました。

概要

選挙は1996年6月16日（日曜日）に第一回投票が行われ、結果としていずれの候補も過半数の票を獲得することができませんでした。このため、憲法の規定に基づき、上位2名による決選投票を実施することが決定されました。第一回投票では、エリツィンとロシア連邦共産党の委員長であるゲンナジー・ジュガーノフが上位に立ちました。

エリツィン陣営は、非常に積極的かつ戦略的な選挙戦を展開しました。彼らは政権としての利点を最大限に活かし、また第一回投票で3位に位置していたアレクサンドル・レーベジを取り込むことでジュガーノフ票を獲得しました。その結果、最終的な決選投票においてエリツィンは53.8%の得票を得て再選を果たします。

決選投票は1996年7月3日に実施され、エリツィンはその後の正式な大統領就任式を1996年8月9日に迎えることになります。しかし、エリツィンの勝利には疑問の声も上がっており、後にロシアの第3代大統領となるドミートリー・メドヴェージェフは「多くの者が1996年、エリツィンが本当に勝ったわけではないと知っている」と発言し、選挙の不正行為の可能性を示唆しています。

ジュガーノフは第一回投票でエリツィンを僅差に追いつめる善戦を見せましたが、その後、ロシア連邦共産党は議席数の減少に直面することとなります。また、選挙戦後にはレーベジが安全保障会議書記に就任しますが、後には政権内の権力闘争やチェチェン問題で解任されることになりました。

加えて、ソビエト連邦の元書記長であり、ロシア初代大統領を務めたミハイル・ゴルバチョフもこの選挙に立候補しましたが、第一回投票ではわずか0.5%の得票にとどまり、落選を余儀なくされました。

投票結果

1996年大統領選挙の結果は、ロシアの政治史において重要な転機をもたらしました。当選したエリツィン政権は、その後も多くの困難に直面しますが、政権の支持基盤と政治システムを維持していくために必要な手段を模索して行くこととなりました。この選挙は、ロシアにおける民主化の進展や政党政治の変化を反映するものであり、今後の政治的判断においても大きな影響を与え続けていくでしょう。

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