1998年の近鉄バファローズ

1998年の近鉄バファローズ

1998年は近鉄バファローズにとって特異なシーズンでした。この年は、佐々木恭介監督が指揮を執る3年目であり、翌年には「大阪近鉄バファローズ」とチーム名が変更されることから、「近鉄バファローズ」としての活動は最後の年となりました。これまでの活動の集大成ともいえるこの年の動向を振り返ります。

シーズンの概要

近鉄バファローズは、大阪ドームへの移転初年度においてAクラス入りを果たし、続く1998年も開幕から好調なスタートを切りました。4月には10勝7敗を記録し、シーズンとしは理想的な滑り出しを見せました。前年のAクラス復帰の原動力であった「いてまえ打線」は、タフィ・ローズ、フィル・クラーク、中村紀洋らを中心に打線を引っ張り、1989年以来9年ぶりの優勝への期待が高まっていました。

5月に入ると、11勝14敗となり、幸先の良かったスタートから貯金が無くなりましたが、6月には再び14勝5敗という好成績で、ビッグバン打線を擁する日本ハムと優勝争いを繰り広げました。ファンや関係者は、佐々木監督の胴上げを期待する声が高まりました。

しかし、7月になると、日本ハムに対して1勝7敗という惨敗を喫し、さらに9勝13敗と負け越し、シーズン途中で7.5ゲーム差まで開いてしまいます。しかし、8月以降、日本ハムが失速する中、近鉄は急接近し、21日から23日の直接対決では3連勝を挙げ、なんとか0.5ゲーム差まで迫りました。

その後、25日からの6連敗が響き、9月以降は8勝15敗となるなど負け越しが続き、優勝争線から脱落しました。最終的には、前半にBクラスとなったオリックスに抜かれ、借金1ながら5位でシーズンを終えました。ついにその年の戦績が、ファンの期待を裏切るRESULTになってしまったのです。

投手陣のパフォーマンス

投手陣に目を向けると、ロブ・マットソンが最多の9勝を挙げるも、2桁勝利を達成する選手は現れませんでした。前年の最多勝である小池秀郎は、残念ながら防御率6点台という不振に陥りました。救援陣では、新守護神となった大塚晶文が最多セーブを記録し、前年のチーム成績を支えた赤堀元之が中継ぎに回って一定の成績を残しましたが、セットアッパーの佐野重樹が故障で苦しむなど、誤算も多かったです。その結果、チーム全体の防御率は4.28とリーグ最下位という厳しい状況に陥りました。

打撃陣の活躍

一方で、打撃陣は好調を維持し、チームは本塁打数でリーグ3位の126本を記録しました。また、149犠打はリーグで1位という数字で、上位打線の選手たちがしっかりと活躍を果たしました。この年をもって、近鉄バファローズは球団創設50周年を迎え、翌年からは新たに「大阪近鉄バファローズ」として再出発することになります。

結論

1998年のシーズンは、近鉄バファローズにとって栄光と挫折が同居した年でした。盛り上がりを見せた前半戦から後半戦での失速、さらにはチーム名変更という歴史的な転換点を迎えたシーズンでもありました。これらの出来事は近鉄バファローズの歴史に深く刻まれ、ファンや関係者にとっても忘れられない思い出となったことでしょう。

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