1998年自由民主党総裁選挙

1998年自由民主党総裁選挙

1998年7月24日、日本の自由民主党において党首選挙が行われました。この選挙は、村山富市内閣から橋本龍太郎内閣への移行に伴うものです。政権交代を契機に、自民党内には二つの勢力が生まれました。一つは、社民党との連携を重視する「自社さ」派で、もう一つは小沢一郎との関係を強めることを目指す「保保連合」派です。このような分裂が生まれた背景には、自民党の支持の低下がありました。

選挙の背景

1998年7月の第18回参議院議員通常選挙では、早くから自民党の劣勢が取りざたされていました。選挙戦が進むにつれ、加藤紘一は自民党が振るわなければ、梶山政権への期待が高まると懸念を示しました。そして、橋本は7月12日深夜、開票前に退陣を表明し、自民党は44議席を獲得するにとどまりました。これは改選前の61議席を大きく下回る結果でした。加藤も橋本に続く形でその責任を負うことになり、後継者選びは厳しい状況に入りました。

総裁候補は、小渕恵三と梶山静六にほぼ絞られました。最大派閥である小渕派では、幹部たちが集まり、橋本の退陣を受けて小渕を次期総裁に推すことが一致しました。最終的に小渕派は7月15日に小渕を擁立することを決定する予定でしたが、その直前、梶山が独自に立候補することを表明し、派閥内に分裂が生じました。

候補者の動向

この状況を受けて、新たに「第三の候補」として小泉純一郎の登場が注目されることになりました。彼の立候補は、党内の分裂を避けるための戦略の一環でもありました。また、田中真紀子はこの選挙を「凡人（小渕）、軍人（梶山）、変人（小泉）の争い」と称しました。

候補者たちの支持は分かれ、梶山には麻生太郎や河野太郎といった新進の議員たちの支持が集まりました。一方、小泉は派閥の票を充分に固めることができず、結果的に厳しい戦いを強いられることになりました。亀井静香らは梶山支持を唱えましたが、これに小泉が立候補表明で対抗し、党内には派閥間の対立が鮮明になりました。

投票結果

投票日は1998年7月24日であり、予想通り小渕恵三が圧勝を収めました。梶山は102票を獲得し3位ではありましたが、最初の予想よりは高い結果に驚く声も上がりました。小泉は84票に留まり、票割れが起きた結果となりました。最終的には二人が棄権、そして一人は無投票といった状況となり、自民党内の権力構図に大きな影響を与えた総裁選となったのです。

結論

この1998年の自由民主党総裁選挙は、自民党内の対立や派閥の力学が色濃く反映された結果となりました。小渕恵三の当選は、保守勢力の再編成を促し、新たな政治的動向を生むきっかけともなったのです。

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