1999年のラジオ (日本)

1999年の日本のラジオ

1999年の日本のラジオ界は、多くの新しい試みが生まれ、放送環境が変化した一年でした。特に番組編成では、リスナーのライフスタイルに合わせた改編が進み、また全国各地で新たな放送局が開局するなど、ラジオが地域に根ざしたメディアとしての役割を広げた時期とも言えます。

主要な番組の動向

この年、注目すべき番組編成の動きとして挙げられるのが、ニッポン放送の改編です。1999年3月29日には、従来の「オールナイトニッポン」枠を拡大・刷新する形で、新たな深夜番組ゾーン「LF+R」がスタートしました。このゾーンからは、『allnightnippon SUPER!』、『LFクールKのLF+Rフライングビート』、『@llnightnippon.com』といった新番組が生まれ、多様なパーソナリティと企画で深夜ラジオに新たな風を吹き込みました。

また、同年7月10日には、ニッポン放送の土曜朝のワイド番組として、新たに『お願い!DJ!克也とミッちゃんはっぴぃウィークエンド』が放送を開始しました。この番組の開始に伴い、それまで平日と土曜日に放送されていた『お早うネットワーク』の土曜版は、ニッポン放送では『かけまくリクエスト』として再構成され、多くの系列局に向けては『トキちゃんのアミューズメントワールド』（後に『アミューズメントワールド』に改称）という形でニッポン放送が制作する裏送り番組に切り替わるなど、放送体制にも変化が見られました。

NHKでも新しい番組が登場しました。NHKラジオ第1放送では、4月1日から早朝の顔となる『ラジオあさいちばん』をはじめ、『ラジオいきいき倶楽部』、『ラジオほっとタイム』が放送を開始。同月4日からは国際情報番組『地球ラジオ』も始まりました。NHK-FM放送でも、4月1日から『弾き語りフォーユー』、『ミュージックポプリ』、2日からは『ザ・ソウルミュージック』、3日からは『ウィークエンドサンシャイン』、『世界の快適音楽セレクション』、5日からは『夜のエスプレッソ』など、多岐にわたるジャンルの新番組がスタートし、リスナーの選択肢が広がりました。

その他、地方局や独立系ラジオ局でも個性的な新番組が生まれました。STVラジオでは4月6日から『アタヤンPUSH!』が、MBSラジオでは4月2日から『金曜12時上岡龍太郎がやって来た』、5月22日から『さてはトコトン菊水丸』が、ラジオ大阪では4月10日から『おおさかパワーワイド 元気もってこい!』がそれぞれ放送を始めています。TOKYO FMでは4月1日から『やまだひさしのラジアンリミテッド』や『モーニング娘。のスーパー・モーニングライダー!』、2日から『ラジオ黄金時代』といった人気番組がこの年にスタートしており、特に若年層を中心に支持を集めました。

新たな放送局の開局

1999年は、新たな放送局が各地で誕生した年でもありました。特にコミュニティーFM局の増加が目立ちました。

民間放送局
4月1日 - 岡山エフエム放送

コミュニティーFM局
2月14日 - 宮崎サンシャインエフエム
2月21日 - エフエムゆーとぴあ
3月14日 - 宮崎シティエフエム（後に廃局）
4月3日 - エフエム上越（現:FMじょうえつ FM-J）
4月14日 - エフエム熱海（現:エフエム熱海湯河原）
6月1日 - 尾道エフエム放送（エフエムおのみち）
7月24日 - エフエム西大和（FMハイホー）
9月1日 - エフエムよっかいち（現:CTY-FM）
9月25日 - 仙台市民放送（FMじょんぱ）（後に廃局）
* 12月24日 - ねむろ市民ラジオ（FMねむろ）

これらの新しい放送局は、それぞれの地域に根差した情報発信源となり、コミュニティー活動の活性化にも寄与しました。

この年のラジオ界の動向は、リスナーの多様なニーズに応えようとする放送局側の努力と、地域に密着したメディアとしてのラジオの可能性を示すものでした。多くの関係資料に記録されています。

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