1Lib1Ref

1Lib1Ref（ワン・リブ・ワン・レフ）は、全世界の図書館司書に対し、インターネット百科事典であるウィキペディアに参加するよう呼びかける運動です。この活動は特に、ウィキペディアの記事の質を向上させるために出典を追加することに焦点を当てています。

この運動の最初のキャンペーンは、ウィキペディアの設立15周年にあたる2016年の1月に行われました。その際、運動の主催者は「司書一人につき出典一つ（One Librarian, One Reference）」という概念の元、世界中の司書がわずか15分の時間を費やしてウィキペディアに出典を一つずつ追加すれば、35万件の「要出典」の問題が解消できると試算しました。

このキャンペーンは2016年1月15日から23日までの間に開催され、参加者は様々なSNS上で「#1Lib1Ref」というハッシュタグを使用しました。

最初のキャンペーンの結果

初回の企画では、9言語版において327人の利用者が879ページに対して合計1232回の編集を行いました。これらの数字は、編集の要約に「#1Lib1Ref」と記載した利用者の編集行為をカウントしたものですが、ハッシュタグを使用しなかった参加者も多かったため、実際の参加者数や編集回数は過小評価されている可能性があります。また、Twitterでは、630人以上のユーザーが「#1Lib1Ref」を含む投稿を1100回以上行ったことが確認されています。

キャンペーンの定期化

この活動は、ウィキペディアの設立記念日を毎年祝う目的で再び行われることとなりました。数年の間に、キャンペーンの開催期間は最初の1週間から3週間に延長され、世界中の司書をウィキペディアの改善活動に参加させる道筋を作りました。2022年時点では、ウィキメディアの他のプロジェクトへの展開も検討されています。

さらに、2018年には1月だけでなく、南半球の長期休暇シーズンを避けるため、5月から6月にもキャンペーンが開催されたのです。この時期はスペイン語版ウィキペディアの設立記念日でもあり、第2回キャンペーンを望む声が強かったことが要因として挙げられています。

このように、#1Lib1Refの活動は、ウィキペディアの信頼性向上を図るだけでなく、知識の提供に従事する司書たちがその専門性を生かし、情報の質を保障するための重要な手段となっています。この運動を通じて、世界中の司書が一丸となり、より良い情報の普及に貢献できることを目指しています。

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