2000年のオリックス・ブルーウェーブ

この項では、2000年シーズンにおけるプロ野球球団オリックス・ブルーウェーブの戦績とチームの動向について詳述する。この年は、チームを率いる仰木彬監督にとって、指揮官として7年目を迎えるシーズンであり、「JUST WIN, 2000」というスローガンを掲げ、新たな戦いに挑んだ。また、このシーズンはチームの歴史において一つの大きな区切りとなった年でもあり、後に球団を代表する存在であったイチロー選手が、シーズン終了後にポスティングシステムを利用してメジャーリーグのシアトル・マリナーズへ移籍したことで、チームは大きな転換期を迎えることになった。

シーズン前の状況と展望

チームは前年のオフに、長年にわたりエースとして投手陣を支えてきた星野伸之投手をフリーエージェント（FA）で阪神タイガースに放出するという事態に直面した。エース級投手の抜けた穴は大きく、シーズン開幕前には一部からAクラス入りさえ危ぶむ声が聞かれるなど、不安視する見方も存在した。しかし、打線においては、1995年、1996年とチームを2度のリーグ優勝に導いた中心メンバーである田口壮選手、イチロー選手、そしてベテランの藤井康雄選手といった主要な選手たちは健在であり、彼らの活躍によるチーム力維持への期待も高まっていた。

シーズンの経過

過去2年間、シーズン序盤である4月に苦戦し、スタートダッシュに失敗する傾向が見られていたオリックスであったが、この2000年シーズンは開幕から好調だった。4月を13勝8敗と大きく勝ち越すことに成功し、見事な開幕ダッシュを切ったのである。この快調な滑り出しにより、開幕時点では出遅れていた福岡ダイエーホークスや西武ライオンズといった強豪に代わってパ・リーグの首位に浮上するなど、一時はリーグのトップ戦線を牽引する存在となった。当時のパ・リーグは上位4球団がわずか3ゲーム差の中にひしめくという稀に見る混戦状態であり、好位置につけたオリックスに対しては、ファンや関係者の間で1996年以来となる4年ぶりのリーグ優勝への期待感が大きく膨らんだ。

しかし、シーズン中盤から後半にかけて、チームの勢いは徐々に鈍化していく。特に8月に入ると、11勝14敗と月間負け越しを喫し、この期間に北海道日本ハムファイターズに順位を抜かれるなど、優勝戦線から一歩後退することとなった。9月以降も調子を立て直すことができず、上位チームとの直接対決での取りこぼしが目立つなど、なかなか順位を上げることができなかった。結局、シーズン終盤の巻き返しはならず、最終的には67勝67敗1分けの勝率.500という成績で、パ・リーグ4位という結果に終わった。これは、阪急ブレーブス時代を含めても、1988年以来12年ぶりの4位であり、優勝への期待が高まった序盤からの失速ぶりが浮き彫りとなるシーズンとなった。

シーズン終了後

2000年シーズン終了後、チームにとって歴史的な出来事が起こる。長年にわたりチームの顔として活躍し、日本プロ野球界のスーパースターとなったイチロー選手が、球団の承認を得てポスティングシステムを利用し、かねてからの夢であったメジャーリーグ挑戦を表明。シアトル・マリナーズへの移籍が決定したのである。これは、チームから絶対的な存在が抜けることを意味し、オリックス・ブルーウェーブは新たな時代の幕開けを迎えることとなった。2000年シーズンは、イチロー選手がオリックスのユニフォームを着てプレーした最後の年として、そして期待された優勝には届かなかったものの、一時は首位に立つ健闘を見せたシーズンとして記憶される。

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