2001年オーストラリアグランプリ

2001年のF1世界選手権開幕戦、オーストラリアグランプリは、3月4日、アルバート・パーク・サーキットで開催されました。このレースは、ミハエル・シューマッハのフェラーリによる勝利、そしてコースマーシャルのグラハム・ビヴァリッジさんが命を落としたという、2つの大きな出来事で記憶されることとなりました。

レース展開

シューマッハは練習走行でマシンのロールに苦戦しながらも、ポールポジションを獲得し、レースをリードしました。一方、チームメイトのルーベンス・バリチェロはスタートで出遅れ、順位を下げます。この混乱の中で、ジョーダンのハインツ＝ハラルド・フレンツェンがスピンを喫するなど、序盤からアクシデントが頻発しました。

3周目にはアロウズのエンリケ・ベルノルディがコースアウトしリタイア。さらに4周目には、衝撃的な事故が発生します。BARのジャック・ヴィルヌーヴがウィリアムズのラルフ・シューマッハに追突。ヴィルヌーヴのマシンはコース脇の壁に激突し、その際にコースマーシャルのビヴァリッジさんにホイールが直撃するという悲劇が起きました。

レースは中断されませんでしたが、すぐにセーフティーカーが導入され、10周目までレースは安全確保を優先した状況が続きました。ビヴァリッジさんは病院に搬送されましたが、残念ながら亡くなりました。

セーフティーカーがピットインすると、シューマッハはハッキネン、バリチェロを引き離して独走態勢に入ります。25周目には、ハッキネンが右フロントサスの破損によりリタイア。その後は、シューマッハがクルサード、バリチェロを抑えて、そのまま優勝を飾りました。しかし、シューマッハは当初、ビヴァリッジさんの死を知らされておらず、勝利を祝った後、その事実を知らされ、表彰式は暗いムードとなりました。マーシャルの死を悼み、シャンパンファイトは行われませんでした。

このレースで、ザウバーのニック・ハイドフェルドは4位入賞を果たし、F1初ポイントを獲得。チームメイトのキミ・ライコネンも6位でデビュー戦を終えました。一方、オリビエ・パニスとヨス・フェルスタッペンはイエローフラッグ中の追い越しでペナルティを受けました。

今大会はミシュランタイヤのF1復帰レースでもあり、ジャガーのルチアーノ・ブルティがミシュラン勢トップの8位でフィニッシュしました。

予選

予選では、タルソ・マルケスが予選最速タイムの107％を下回ったものの、決勝への出走が認められました。

まとめ

2001年オーストラリアグランプリは、シューマッハの圧倒的な勝利と、ビヴァリッジさんの悲劇という、対照的な出来事が共存したレースでした。勝利の喜びと喪失の悲しみ、両方が入り混じった、記憶に残る大会となりました。このレースは、ドライバー、チーム、そしてF1関係者すべてにとって、忘れられないものとなったことでしょう。若手ドライバーの活躍や、ミシュランタイヤの復帰など、いくつかの注目すべき点もあったものの、何よりもビヴァリッジさんの死が、このレースの大きな影として残ることになります。

もう一度検索