2002年の広島東洋カープ

2002年の広島東洋カープ

2002年の広島東洋カープは、山本浩二監督が第二次政権を率いて迎えた2年目のシーズンでした。

新たなスタートを切るにあたり、チームはこの年、当時阪神タイガースを率いていた星野仙一監督にあやかる意図もあってか、伝統的な赤を基調としながらも、縦縞のデザインをユニフォームに取り入れるという大きな変更を行いました。このユニフォーム刷新がチームに勢いをもたらしたのか、シーズン開幕後はまずまずの滑り出しを見せ、4月を13勝11敗1引き分けと勝ち越しで終えました。7月に入ると、最下位に低迷していた横浜ベイスターズを除くセントラル・リーグの他4球団と2位の座を争う戦いを展開するなど、一時は上位進出の可能性を感じさせました。

しかし、例年チームが苦戦する夏場以降に失速。順位を落とし、最終的には阪神タイガースとの4位争いを繰り広げる展開となりました。結果的には勝利数を伸ばせず、借金8を抱える5位でシーズンを終えることになりました。

投手陣では、7年目のシーズンを迎えた長谷川昌幸がエース格の活躍を見せ、チーム最多となる13勝を挙げました。また、チームの柱である黒田博樹や、経験豊富なベテランの佐々岡真司も先発ローテーションの一角として奮闘しました。リリーフ陣では、この年オールスターゲームにも選出された小山田保裕や、広池浩司らが重要な場面で登板し、チームを支えました。

一方、打撃陣では開幕早々にチーム内の大きな出来事がありました。主力である前田智徳選手と外国人選手ルイス・ロペス選手の間でベンチ裏での衝突が発生したのです。これにより、シーズン前に「打率3割5分」を目標に掲げていたロペス選手の集中力が低下したとも言われ、本来の勝負強い打撃が見られなくなりました。結局、ロペス選手はカープでの通算6年間の在籍を終え、このシーズン限りでチームを去ることになりました。もう一人の外国人野手であったエディ・ディアス選手も同様にこの年限りで退団しました。

日本人野手では、11年目のシーズンを迎えた金本知憲選手が4番打者としてチームを牽引する活躍を見せました。しかし、シーズンオフには国内フリーエージェント（FA）権を行使し、阪神タイガースへ移籍することが決定しました。チームの精神的支柱であり、打線の中心であった金本選手の離脱は、戦力面での大きな懸念材料となり、翌年以降のチーム編成や戦いぶりに暗い影を落とすことになりました。

個人としては、前田智徳選手がカムバック賞を受賞するなど明るい話題もありましたが、全体としてチームは上位争いに食い込むには至らず、主力選手の相次ぐ退団・移籍という厳しい現実を突きつけられたシーズンとなりました。

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