2003年ヨーロッパグランプリ

2003年6月29日、ドイツのニュルブルクリンクにおいて、2003年F1世界選手権の第9戦、ヨーロッパグランプリが開催されました。

このレースは、予選でライコネンがポールポジションを獲得するなど、序盤から波乱の予感を漂わせる展開となりました。ライコネンはスタート後、ライバルであるラルフ・シューマッハを引き離し、独走態勢を築き上げます。25ラップを経過するまでトップを快走し、今シーズンのチャンピオンシップ争いにおいて優位に立つかに思われました。しかしながら、突如としてエンジントラブルが発生、ライコネンはリタイアを喫することとなります。このアクシデントにより、ライコネンのチャンピオンシップ争いへの道は暗雲が立ち込めることとなりました。

一方、ライコネンのリタイアによりトップに躍り出たのはラルフ・シューマッハでした。彼は今シーズン初優勝を飾り、チームに大きな喜びをもたらしました。2位にはモントーヤ、3位にはクビカが入賞を果たし、表彰台を飾りました。

レース中盤では、トップ争いとは別に、ミハエル・シューマッハとモントーヤによる激しい2位争いが展開されました。43ラップ目にダンロップ・カーブで両者が接触。接触の結果、ミハエル・シューマッハはコースアウトし、スピンを喫してしまいます。このアクシデントにより、ミハエル・シューマッハは順位を大きく下げることとなりました。レース後、両ドライバーは接触に関して意見を交わしましたが、スチュワードによる調査の結果、ペナルティは科されませんでした。

また、レース終盤にはクルサードがスピンでリタイアするなど、最後まで目が離せない展開となりました。アロンソは最終ラップでミハエル・シューマッハをかわし4位に入賞。マクラーレン勢はノーポイントに終わり、ウィリアムズは1-2フィニッシュでコンストラクターズランキング2位に浮上しました。

ウィリアムズは1-2フィニッシュという好成績を収め、コンストラクターズランキングにおいて順位を上げることに成功しました。チーム代表であるフランク・ウィリアムズは、チャンピオンシップ争いへの挑戦に慎重な姿勢を示したものの、チームはシーズン終了までに逆転の機会があると信じていました。一方、フェラーリはポイントリードを保ちながらも、ライコネンとミハエル・シューマッハのアクシデントにより、終盤戦への展望が複雑なものとなりました。

このヨーロッパグランプリは、ライコネンのエンジンブローというアクシデント、シューマッハ兄弟の活躍、モントーヤとミハエル・シューマッハの接触など、数々のドラマが展開されたレースとして記憶されています。タイトル争いにおいて大きな転換点となったこのレースの結果は、シーズン最終戦まで目が離せない展開へと繋がっていきました。

最終的に、このレースの結果を受けて、ドライバーズランキング、コンストラクターズランキングともに、各チームの順位が大きく変動し、シーズン終盤戦に向けての戦いの激しさを予感させるものとなりました。各チームは、残りのレースにおいて、戦略やマシンの改良など、様々な面で更なる努力を必要とされました。

もう一度検索