2004年アメリカグランプリ

2004年アメリカグランプリの振り返り

2004年6月20日、インディアナポリス・モーター・スピードウェイで開催されたアメリカグランプリは、F1世界選手権の第9戦として注目を集めました。2000年から続くこのレースは、ブリヂストンタイヤを装着したチームの勝利が続いており、この年もフェラーリとブリヂストンの圧倒的な強さが際立ちました。フェラーリはこの時点で8戦中7勝を収めており、過去4年間で3勝を挙げたこのサーキットとの相性の良さも証明されました。

予選結果

予選1回目

初日の予選では、ルーベンス・バリチェロが優れたパフォーマンスを見せ、トップタイムを記録しました。2位にはファン・パブロ・モントーヤが続き、8台のドライバーが僅差の0.305秒差で競い合うという接戦が繰り広げられました。

予選2回目

次のセッションでは、ヤルノ・トゥルーリがギアボックスのトラブルでタイムアタックを断念し、最後尾スタートが決まりました。オリビエ・パニスが7番手につけた後、最終的にはバリチェロがミハエル・シューマッハを上回り、1'10.223で今シーズン初のポールポジションを獲得。フロントローにはフェラーリ、セカンドローにB・A・R勢、サードローにはウィリアムズ勢が並ぶ形となりました。

決勝レースの展開

フォーメーションラップの直前、5番グリッドのモントーヤにトラブルが発生し、スペアカーに切り替えることになりました。スタート直後、3番手の佐藤琢磨がミハエルに進路を阻まれると、アウトからアロンソが琢磨をかわし3位に上がります。しかし、1周目の1コーナー付近で5台が絡む大クラッシュが発生し、セーフティーカーが導入されました。

セーフティーカーが退去した6周目、ミハエルはバリチェロを抜いてトップに立ち、その後アロンソはタイヤのパンクでクラッシュ。さらに9周目にはラルフ・シューマッハが大クラッシュし、再びセーフティーカーが導入されました。このタイミングでピットインするドライバーが続出し、ミハエルはトップを維持しました。琢磨はオーバーテイクを重ね、次第に順位を上げていきます。

レースが進むにつれ、ミハエルとバリチェロのフェラーリが1-2体制を築く一方、琢磨はヤルノ・トゥルーリを追い詰めます。60周目にはマーク・ウェバーがエンジンブローでリタイヤし、オイルがコース上に散乱。その状況下で琢磨はトゥルーリとの接触を経て3位に浮上します。

最終結果

ミハエル・シューマッハがこのレースを制し、シーズン8勝目を達成。一方、琢磨は1990年の日本GP以来、14年ぶりとなる表彰台を獲得しました。また、ミナルディのゾルト・バウムガルトナーが8位で自身初ポイントを獲得し、チームにとっても久しぶりの嬉しい記録となりました。最終的には9台が完走するサバイバルレースとなり、ドライバーやコンストラクターのランキングには大きな影響を与えました。

結果的に、モントーヤはスペアカー乗り換え規定に違反したため失格となりましたが、それでもこのレースは多くのドラマを生んだ素晴らしいレースとして記憶されることでしょう。

もう一度検索