2004年モナコグランプリ

2004年のF1モナコグランプリは、5月23日、モンテカルロ市街地コースにて開催された。予選では、4番グリッドのドライバーがエンジン交換によるペナルティを受け、10グリッド降格となった。
決勝レースは、トヨタのドライバー、パニス選手の車両トラブルによりスタートが遅延し、77周レースに変更された。ポールポジションからスタートしたトゥルーリ選手は、好スタートを切りトップを維持。ルノー勢が1-2体制でレースをリードする展開となった。一方、佐藤選手は7番手から4位まで順位を上げる素晴らしいスタートを見せた。
しかし、序盤からアクシデントが続出する波乱の展開となる。オープニングラップにクリエン選手がクラッシュし、マシンのノーズに装着されていたダイヤを失うというハプニングが発生した。その後、佐藤選手の車両から白煙が上がり始め、3周目にエンジンブロー。この煙が原因でクルサード選手のマシンにフィジケラ選手が追突し、フィジケラ選手のマシンは横転するという事態に発展した。この事故を目撃したバリチェロ選手は、安全を確保するための対応が遅れたことを指摘している。
3周目までに4台のマシンがリタイアするという衝撃的な展開の中、レースはさらに波乱を巻き起こす。ウェバー、パンターノ、ブルーニ、ライコネンらもリタイアし、マクラーレンは2台ともレースを終えることができなかった。さらに、アロンソ選手は周回遅れのラルフ選手をオーバーテイクしようとした際にクラッシュ。ルノーの1-2体制は崩れた。このアクシデントによりセーフティカーが導入され、トップにミハエル・シューマッハ選手が浮上。前人未到の開幕6連勝への期待が高まった。
しかし、セーフティカー走行中にミハエル・シューマッハ選手のマシンにトラブルが発生。タイヤの温度調整のため加減速を繰り返していた際に、モントーヤ選手に追突されリタイアとなった。
レース終盤は、トゥルーリ選手とバトン選手の優勝争いが白熱。激しいデッドヒートの末、トゥルーリ選手がポール・トゥ・ウィンで自身初のモナコグランプリ制覇を果たした。トゥルーリ選手は勝利の喜びを爆発させ、マシンにキスをするなど興奮をあらわにした。2位にはバトン選手、3位にはバリチェロ選手が入賞。バリチェロ選手は誕生日を最高の形で飾った。
その後方では、モントーヤ、マッサ、ダ・マッタ、ハイドフェルド、パニス選手が入賞。6位以下のドライバーは全員今シーズン初入賞という結果となった。バウムガルトナー選手が9位、ラルフ・シューマッハ選手が10位で完走した。2004年モナコグランプリは、多くのアクシデントとドラマが詰まった、記憶に残るレースとなった。

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