2007年フランス大統領選挙

2007年フランス大統領選挙：サルコジ時代の幕開けとその後

2007年のフランス大統領選挙は、フランス第五共和政において歴史的な転換点となりました。それまでのジャック・シラク大統領が不出馬を表明したため、新たな指導者を選ぶ選挙として国民の大きな関心を集めました。

選挙は、まず4月22日に行われた第一回投票で幕を開けました。複数の候補者が立候補する中、ニコラ・サルコジとセゴレーヌ・ロワイヤルが上位2位となり、5月6日の決選投票に進出しました。この決選投票では、サルコジがロワイヤルを制し、フランス大統領に当選しました。任期は5年間です。

選挙までの道のり：シラク大統領の不出馬と候補者たちの動向

シラク大統領は、2期目の任期満了に伴い不出馬を表明しました。当初は3期目の出馬も噂されていましたが、欧州憲法批准の国民投票における否決や健康問題、そして与党内部での派閥争いなどが、不出馬の決定に影響を与えたとされています。

シラク大統領の支持を受け継ぐ後継者として、当初はドミニク・ド・ヴィルパン首相が有力視されていましたが、ヴィルパン首相は2007年2月に大統領選への不出馬を表明。結果として、サルコジとロワイヤルが、選挙戦の中心人物として台頭することになりました。

立候補には、フランス国籍と500名以上の役職者からの推薦が必要という条件がありました。多くの候補者が立候補を表明し、激しい選挙戦が展開されました。

選挙の結果とその後：サルコジの当選と政治資金疑惑

第一回投票では、サルコジが得票率を獲得し、ロワイヤルが僅差で続きました。第二回投票では、サルコジが勝利を収め、大統領に就任しました。

しかし、サルコジ政権は、就任後まもなく、リビアからの不正な政治献金疑惑に直面します。この疑惑は、2018年に警察による事情聴取や訴追という形で表面化し、サルコジの政治生命に大きな影を落とすこととなりました。

選挙の意義と影響

2007年フランス大統領選挙は、シラク時代の終焉とサルコジ時代の始まりを告げる重要な選挙でした。サルコジの当選は、フランス政治における保守派の台頭を象徴する出来事であり、その後のフランス政治に大きな影響を与えました。同時に、選挙後における政治資金疑惑は、フランス政治における透明性や倫理の問題を改めて浮き彫りにしました。

この選挙は、フランス国民の政治参加意識や、大統領選における候補者選び、そして選挙後の政治責任といった様々な要素が複雑に絡み合った、歴史に残る選挙となりました。

選挙日程

2007年2月25日：選挙招集の布告
3月16日：推薦人の提出期限（500名必要）
3月20日：公式候補者リスト発表
4月9日：選挙運動開始
4月20日：選挙運動終了
4月22日：第一回投票
4月25日：開票結果発表
4月27日：決選投票の公式候補者リスト発表
5月6日：第二回投票（決選投票）
5月10日：開票結果発表
* 5月16日：ジャック・シラク大統領任期満了

この選挙は、フランスの政治史において重要な位置を占め、その後のフランス政治の展開に大きな影響を与えました。また、選挙プロセスや結果、そして選挙後の出来事を通して、フランス民主主義の課題や可能性についても考える機会を与えてくれました。

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