2009年のロードレース世界選手権

2009年FIMロードレース世界選手権：レギュレーション変更と最終シーズン

2009年のFIMロードレース世界選手権は、第61回大会として開催されました。このシーズンは、MotoGPクラスにおけるタイヤ供給の変更や、経費削減のための様々なレギュレーション変更、そして250ccクラスの最終シーズンという点で、大きな転換期となりました。

MotoGPクラス：ブリヂストンワンメイクとレギュレーション変更

ミシュランの撤退により、MotoGPクラスはブリヂストンタイヤのワンメイク体制となりました。これに伴い、予選専用タイヤ（Qタイヤ）は廃止されました。各ライダーには、フロント2種類、リア2種類のタイヤスペックが与えられ、それぞれのスペックにつき、フロント4本、リア6本、計20本のタイヤが供給されました。ただし、第7戦ダッチTT以降は、フロントタイヤについて、どちらかのスペックを5本、もう片方を3本という選択も可能になり、柔軟性が加わりました。ウェットタイヤは、1レースにつき4セットが供給され、全セッションがウェットの場合は決勝用にもう1セット追加されました。

経費削減のため、金曜日のプラクティスセッションの短縮、電子制御サスペンション、ラウンチコントロールシステム、セラミックブレーキの禁止、シーズン中のエンジン使用数削減、テストセッション数の削減などの変更が実施されました。しかし、金曜日のプラクティスセッション短縮については、チーム監督らの安全面への懸念から、第4戦フランスGPから元の時間に戻されました。プライベートテストについても、年間40日以内、タイヤ300本以内という制限が設けられました。

250ccクラス：最後のシーズン

2010年シーズンからのMoto2クラスへの移行に伴い、2009年シーズンは250ccクラスの最後の開催となりました。多くのライダーたちが、この最後のシーズンに特別な思いを込めてレースに臨みました。

スケジュール変更と開幕戦の延期

2009年のグランプリ開催スケジュールは、2008年10月24日に修正されました。ハンガリーGPは、サーキット建設の遅延により、2010年への延期が決定されました。また、開幕戦カタールGPのMotoGPクラス決勝レースは、悪天候のため月曜日に延期されるというアクシデントもありました。

ポイントシステムとランキング

ポイントシステムは、上位15名にポイントが付与される方式で、完走が条件でした。ライダーズランキング、マニュファクチャラーズランキングは、MotoGP、250cc、125ccの各クラスで発表されました。カタールGPでは、規定周回数が満たされなかったため、ハーフポイントが適用されました。また、スズキはオーストラリアGPでエンジン交換規定違反によりペナルティを受けました。

エントリーリストとチーム事情

MotoGPクラスでは、カワサキがMotoGP活動を一時休止した後、ハヤテ・レーシングとして1台体制で参戦を継続しました。ライダーの変更や代役出場なども多くみられました。250ccクラスと125ccクラスでは、タイヤ供給がダンロップが中心でしたが、ワイルドカード参戦のライダーの中にはブリヂストンを使用するライダーもいました。

2009年シーズンは、レギュレーションの大幅な変更や、クラスの移行、そして様々なアクシデントに見舞われたシーズンとなりました。これらの出来事が、今後のロードレース世界選手権の進化に大きな影響を与えたことは間違いありません。 各クラスのランキング、詳細なライダーやチームの情報、そしてレース結果などは、公式記録を参照いただくのが適切です。

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