2009年ノルディックスキー世界選手権

2009年ノルディックスキー世界選手権大会：リベレツの歴史的瞬間

2009年2月18日から3月1日までの12日間、チェコ共和国のリベレツ市を舞台に、ノルディックスキー世界選手権が開催されました。リベレツ市にとって、そしてチェコ（チェコスロバキア時代を含む）にとって、1925年、1935年、1970年に続く4回目の開催という歴史的な出来事でした。

この大会の最大の特徴は、史上最多となる20種目が行われた点です。クロスカントリースキー12種目、ノルディック複合4種目、スキージャンプ4種目が繰り広げられ、選手たちはそれぞれの技を競い合いました。

開催地決定と競技方式の変更

2004年6月3日、アメリカ合衆国フロリダ州マイアミで開催された国際スキー連盟（FIS）総会において、リベレツはオスロ（ノルウェー）を大差で抑え、開催地に決定しました。具体的な競技スケジュールは、2007年3月25日から28日にかけてスロベニアのポルトロジュで行われたFIS会合で決定されています。

今大会では、競技方式にも大きな変更がありました。最も注目すべきは、スキージャンプ競技に女子種目が初めて採用され、ノーマルヒルが実施されたことです。これは、女子スキージャンプ競技の飛躍的な発展を示す重要な出来事でした。

クロスカントリースキーでは、クラシカル走法（インターバルスタート）の予選として、女子10kmは5km、男子15kmは10kmが実施されました。

ノルディック複合では、従来の競技方式が大きく変更されました。新たに10kmマススタートが導入され、7.5kmスプリントと15kmグンダーセンはそれぞれ10kmグンダーセンラージヒル、10kmグンダーセンノーマルヒルへと変更されました。また、個人および団体競技のジャンプ回数が1回に減少し、ジャンプの点差は1ポイントにつき1.33秒（3ポイントにつき4秒）となりました。これらの変更は、2008年9月29日、スイスのチューリッヒで行われたシーズン前ミーティングで決定されました。

イベントとメディア

2月18日、リベレツ市内のTipsport Arenaで行われた開会式は、イギリスの人気ロックバンド、ディープ・パープルの演奏で華やかに幕を開けました。さらに、2月20日には市内中心部のメダルセレモニー会場で、スロバキアのエランによるライブパフォーマンスが行われ、大会を盛り上げました。

メディア対応も万全で、2008年10月17日までオンラインでメディア公認を受け付けました。チェコテレビ（ČT）がホスト局となり、54台のテレビカメラと60kmに及ぶケーブルを駆使し、60時間以上にわたる国際映像を配信。1500以上の各国メディアが大会を取材に訪れました。

マスコットと参加国

大会マスコットは、2008年6月30日に発表された「リビ」という名のライオンです。チェコ共和国大統領と大会組織委員長に紹介され、大会を象徴する存在となりました。

61カ国から589人の選手が参加し、その内訳は、クロスカントリースキーに男子239人、女子155人、ノルディック複合に77人、スキージャンプに男子79人、女子39人でした。FISのカスパー会長は、2014年ソチオリンピックでの女子スキージャンプ採用に期待を表明しました。

会場と競技結果

クロスカントリースキー競技は、リベレツ南西部のVesecにあるクロスカントリースキーコースで行われました。このコースは、1周3.75km、高低差43mの周回コースを2つ持ち、必要に応じてコース長さを変更することが可能でした。2007年秋のチューリッヒ会議では、ローラースキーとインラインスケートに対応するためコース舗装と人工降雪機設置が決定されました。

スキージャンプ競技は、リベレツ南部のJeštědにあるHS100ノーマルヒルとHS134ラージヒルで行われました。ノルディック複合は、VesecのクロスカントリーコースとJeštědのジャンプ台を使用しました。リベレツ市内のTipsport Arenaは、運営総合センターとして利用され、組織委員会事務局、競技本部、メディアセンターなどが設置され、開会式もここで行われました。

競技結果については、日本代表選手の記録は全日本スキー連盟によるものとなります。各競技の詳細はFIS公式記録を参照ください。特に、スキージャンプ男子個人ラージヒルでは悪天候のため1本目のみで順位が決定するという珍しい事態となりました。

この2009年ノルディックスキー世界選手権大会は、数々の新記録と歴史的瞬間、そして数多くのドラマを生み出した、記憶に残る大会となりました。

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